葛飾区史

第2章 葛飾の成り立ち(古代~近世)


第3節 近世の葛飾

■葛飾の名所と行楽地 :信仰と娯楽

 葛西領の寺社や行楽地で、群を抜くのが木下川薬師(浄光寺)である。江戸の最初の名所案内である寛文2(1662)年の『江戸名所記』以降、多くの地誌・紀行文に登場する。なお、浄光寺は近代に行われた荒川放水路の開削に伴い寺地が現在地(東四つ木4丁目)へ移された。
 18世紀前期になると、水戸街道沿いの飯塚の夕顔観音、中期には金町の半田稲荷、後期には金町の香取宮(現葛西神社)などが参詣の場として登場する。

「木下川薬師開帳の図」(文化12〔1815〕年、歌川国芳)
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木下川薬師(『嘉陵紀行』)

徳川御三卿の清水家の御用人、村尾正靖が書いた江戸近郊の旅行記。19世紀前期の木下川薬師の様子が描かれている。
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