葛飾区史

第5章 暮らしの移り変わり


第3節 都市近郊の農村

■人々の祈願と信仰 :御嶽講

 東京都青梅市の武蔵御嶽神社を信仰する講中で、下小松町や柴又町などで行われていた。木曽御嶽山を信仰する御嶽講と区別するため、「武州御嶽講」と呼ぶこともある。下小松町の御嶽講は、御嶽神社の一の鳥居に掛けるしめ縄を江戸時代以来奉納し続けていたことから「御〆講」と呼ばれていた。
 御〆講は、毎年11月8日に講員達がその年に収穫した新しいわらを持ち寄って大きなしめ縄を作った。この日に御嶽山から御師が来ることもあった。作ったしめ縄は、後日講元などの代表者がトラックで運んで奉納した。また5月には希望者全員で武蔵御嶽神社に参拝に行った。

武蔵御嶽神社(平成5〔1993〕年、東京都青梅市)
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