葛飾区史

第4章 現代へのあゆみ(戦後~平成)


第2節 現在の葛飾

■未来に続く子育て支援 :【待機児童と多様化する保育ニーズへの対応】

 葛飾区は、待機児童解消のため、認可保育所や認証保育所注釈2-1などの積極的な保育施設の整備の他、多様な保育サービスの提供を行っている。区は、認可保育所の新設や定員増加を進め、平成17(2005)年から平成27(2015)年の10年間で1200人以上の定員を増加している。また、家庭的保育事業(保育ママ制度)注釈1の拡充を進めるとともに、平成26(2014)年には認定こども園注釈2-2、平成27(2015)年には小規模保育事業所注釈3を設置するなど、新しい形の事業の整備も進めていった。また、多様化する保育ニーズに対応するため、認可保育所で延長保育や0歳児保育、休日保育などを実施する他、予約入園注釈4や病児保育・病後児保育事業注釈5を実施している。子育て世帯への経済的支援としては、認証保育所の保育料助成や区の認可保育所などを利用する多子世帯に対する保育料の減額や免除を行っている。

葛飾区の認可保育所定員数・在籍数の推移(平成17〔2005〕〜平成27〔2015〕年)
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0歳児保育の様子(平成28〔2016〕年)
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病後児保育の様子(平成27〔2015〕年)
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注釈2-1:待機児童の解消と保育ニーズの多様化への対応を目的として、東京都が独自の基準で認証している保育施設。
注釈1:保育士などの資格や子育ての経験を持つ者を家庭的保育者(保育ママ)として区が認定し、3歳未満の子どもを自宅などで保育する事業。東京都は、昭和35(1960)年に「家庭福祉員制度」として事業化し、昭和44(1969)年に区市へ移管された。
注釈2-2:保育所と幼稚園の両方の機能を併せ持ち、幼児教育・保育を一体的に提供する施設。地域の子育て支援も行う。
注釈3:低年齢児(0〜2歳)の保育の量的拡大を図るため、平成27(2015)年に開始した「子ども・子育て支援新制度」の中で、市町村の認可事業(地域型保育事業)の1つとして平成27(2015)年4月から始まった定員6〜19人の小規模な保育施設。
注釈4:葛飾区の独自事業で、育児休業の取得とスムーズな職場復帰を目指し、育児休業の復帰時期(5月〜10月)に合わせ、0歳児クラスの入園を決定する。
注釈5:平成16(2004)年に病後児保育、平成21(2009)年に病児保育事業を開始。児童が病中または病気の回復期にあって集団保育が困難な期間、医療機関などに付設された専用室などにおいて保育および看護ケアを行う。