葛飾区史

第5章 暮らしの移り変わり


第2節 低地で暮らす

■暮らしの工夫 :江戸ゴミの利用

 堆肥的な肥料を作り出す知恵として江戸ゴミと呼ばれる東京都心部から運ばれる生活廃棄物を腐熟させて肥料や夏野菜の苗床としていた。
 江戸ゴミは、昭和になってからは東京市の清掃担当者が船で江戸川や中川を使って運んでいた。江戸ゴミを使っていたことが確認できるのは夏野菜の栽培が盛んであった奥戸町や鎌倉町などの地域で、河岸に運ばれてきた江戸ゴミを各農家が手車で運び、畑で腐熟させて苗床にした。江戸ゴミは無償で昭和30年代まで使われていた。