葛飾区史

第4章 現代へのあゆみ(戦後~平成)


第2節 現在の葛飾

■安心して住み・憩い・働き続けられるまちに向けて :大学と公園を核とした新宿六丁目地区のまちづくり

 新宿六丁目には長年、三菱製紙株式会社中川工場があったが、平成11(1999)年に閉鎖が発表され、平成15(2003)年には操業を停止した。同工場は、従業員約500人、敷地面積約18haと広大な敷地を有し、撤退が与える影響は大きく、跡地を活用したまちづくりが求められた。
 平成16(2004)年に学識経験者や地元代表などで構成され、地域の活性化策を検討する「プロデュース会議」を開催し、翌年葛飾区は新宿六丁目地区の目標と方針を定めた「まちづくり方針」を策定した。その後、平成20年(2008)に「大学誘致基本方針」を策定し、区初の大学誘致を開始した。公募、選定を行い、平成21(2009)年3月に学校法人東京理科大学との基本協定の締結を経て、平成25(2013)年4月、東京理科大学葛飾キャンパス、葛飾にいじゅくみらい公園および運動場、葛飾区科学教育センター(未来わくわく館)が開設された。開設に向け、金町駅北口の通りの愛称を「理科大学通り」にし、名称プレートを設置したほか商店会に「ようこそ理科大学」のフラッグがはためいた。地域の歓迎ムードは高まり、地元商店会も出店したオープニングイベントには2万人を超える区民が参加した。
 現在、葛飾キャンパスには約4000人の学生が通い、多くの若者が集い、地域の活力とにぎわいの源泉になっている。また、誰もが気軽に散策でき、図書館や食堂などが一般に開放されている開かれたキャンパスには、多くの葛飾区民が集い、憩いや学びの場となっている。
 大学と地域・葛飾区との連携も進んでおり、科学教育センターなどでは学生による科学体験教室、放課後学習教室、大学内の産学公拠点施設を活用した区内企業との共同開発や大学施設での公開講座などが行われている。また、学園祭などへの地域団体・企業の協力や、地域のイベント「花・楽・cafe」に学生が参加するなど、相互交流が図られている。
 この他、新宿六丁目地区では、特別養護老人ホームの開設や住宅の建設が進むなど、様々な都市機能が調和・共存するまちづくりが進められている。

学校法人東京理科大学と葛飾区の基本協定締結 平成21(2009)年
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東京理科大学葛飾キャンパス 平成25(2013)年
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東京理科大学連携事業(科学体験教室)
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新宿六丁目地区の変遷
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