葛飾区史

第4章 現代へのあゆみ(戦後~平成)


第2節 現在の葛飾

■安心して住み・憩い・働き続けられるまちに向けて :亀有駅南口の市街地再開発事業

 亀有駅南口は防災面の不安や商業の停滞などの課題を抱えており、これを解決しようと地域住民が中心となって様々な検討を行い、昭和53(1978)年に「亀有駅南口第一地区再開発準備組合」を設立した。
 その後、平成元(1989)年に都市計画が決定され、平成3(1991)年には住宅・都市整備公団(現独立行政法人都市再生機構)を施行者として、事業計画および権利変換計画の認可を受けた。翌年、工事に着手し、平成8(1996)年に事業が完了、商業施設と葛飾区亀有文化ホール(かめありリリオホール)などからなるリリオ注釈2館、商業施設と住宅からなるリリオ壱番館〜参番館などの大型ビルや駅前広場が整備された。
 これにより、課題であった防災性や利便性が向上し、平成6(1994)年に商業集積地別の年間販売額が約217億円であった亀有南部は、平成9(1997)年に約331億円に増加し葛飾区内1番の売り上げを達成するなど、商業も活性化した。
 また、昭和53(1978)年の準備組合設立以降、事業完成までに『再開発ニュース』を137回発行し、準備組合、地元連絡協議会、や先進事例見学会など、500回を超える協議や会合を行ってきた。昭和46(1971)年に地元有志が「亀有駅南口再開発計画案」を作成して以来25年の長きにわたる、葛飾区初の再開発事業が完了したのは、このような駅前商店街、住民、町会や区との協働による地道で粘り強い活動があったためである。

再開発前後の亀有駅南口
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現在の亀有駅南口(平成26〔2014〕年)
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注釈2:公募により決定した再開発地区の愛称で、リリオとはスペイン語で「花菖蒲・あやめ」のこと。なお、花菖蒲は葛飾区の花。