葛飾区史

第4章 現代へのあゆみ(戦後~平成)


第1節 戦後の葛飾

■終戦・占領と区民生活 :占領の開始、苦しい生活

 日本は昭和20(1945)年8月14日に無条件降伏などを定めたポツダム宣言を受諾すると、翌15日に終戦の詔書をラジオで放送した。9月2日に日本は東京湾に停泊するアメリカ戦艦ミズーリ号上で降伏文書に調印し、10月2日には最高司令官マッカーサー元帥を頂点とする連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)が設置された。GHQは、それまでの日本の統治機構を解体して直接軍政を敷くのではなく、指令などを通して日本政府に占領政策を実施させる間接統治方式を採用した。
 終戦直後の国民生活は困窮を極めた。食糧や衣類、生活必需品などが極端に不足し、急激なインフレーションによって人々の生活は苦しかった。各地に生まれた闇市では、正規ルートに乗らない物資が法外な値段で取り引きされており、経済は混乱した状態にあった。