葛飾区史

第1章 葛飾の風土と自然


第2節 東京低地の成り立ち

■縄文海進以降の東京低地 :弥生の小海退

 東京低地には、地表面から約3m下に、現在の河川ではない砂の層である幅5㎞にわたる河道砂層がある。3000〜2000年前に、海水面が現在よりも2m ほど下がる弥生の小海退の過程で、河道が横に移動した時にできたものだと考えられている。
 その後、海水面が現在の高さにまで上昇して河道が固定されたことで、流路に沿ってのみ河道砂層が分布するようになった。東京低地では海岸線の移動によって三角州が40㎞拡大し、葛飾区域も陸化した。

河道砂層の発達モデル

上(約3000年前)河道は横に移動し、広範囲に砂層を堆積させた。下(約3000年前〜現在)河道が固定され、流路に沿ってのみ砂層が堆積された。
戻る時は右上の×をクリックしてください

標高-1mと-3mにおける地層の平面分布

標高-3mの河道砂層(黄色)は現在の河道(濃い青色)よりも広い幅を持っていることが分かる。
戻る時は右上の×をクリックしてください