葛飾区史

第4章 現代へのあゆみ(戦後~平成)


第2節 現在の葛飾

■人と自然が共存できる環境を未来へつなぐために :地球温暖化防止の取り組み

 地球温暖化は、21世紀の最も深刻な環境問題の1つで、その原因は二酸化炭素などの温室効果ガス注釈1の排出量の増加にある。
 葛飾区では、平成7(1995)年に地球温暖化防止に対する取り組みを開始し、オゾン層破壊の原因とされるフロンガスの回収を行った。平成9(1997)年に京都議定書注釈2が採択され、その翌年には太陽光発電設備などへの融資あっせんを開始、平成18(2006)年からは助成も開始し、再生可能エネルギー注釈3の普及を進めた。平成20(2008)年には、区民・事業者・区で協働して温暖化防止に取り組むため、「地球温暖化対策地域協議会」を設立し、打ち水や子ども環境学習講座の開催などを続けている。
 平成23(2011)年の東日本大震災を契機に、節電への意識の高まりを維持し続けるため、これまで再生可能エネルギーや省エネルギー機器導入などの助成制度の拡大を図り、葛飾区の公共施設への機器設置も積極的に行っている。
 このような地球温暖化対策に取り組んだこともあり、平成2(1990)年度に1745t-CO2eq注釈4であった葛飾区の温室効果ガスの排出量は、平成6(1994)年度の1852t-CO2eqをピークに減少し始め、平成24(2012)年度は1639t-CO2eqとなった。これらの環境対策は、長期的な視点が必要であり、引き続き人と自然が共存できる環境を未来へつなぐために取り組みを推進している。

花いっぱいになった堀切水辺公園(平成26〔2014〕年)
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打ち水の様子(平成25〔2013〕年)
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注釈1:太陽光線によって暖められた地表面から放出される赤外線を吸収して大気を暖め、一部の熱を再放射して地表面の温度を高める効果を持つガスを指す。二酸化炭素、メタンやフロン類など。
注釈2:平成9(1997)年に京都で開催された気候変動枠組条約締約国会議(COP3)で採択され、平成17(2005)年に発効された議定書で、温室効果ガスの排出量を先進国全体で削減することを義務づけている。
注釈3:1度利用しても比較的短期間に再生が可能であり、資源が枯渇しないエネルギーのこと。太陽光や太陽熱、水力、風力、地熱など。
注釈4:CO2 equivalent の略で、二酸化炭素相当量に換算した数値のこと。