葛飾区史

第1章 葛飾の風土と自然


第1節 葛飾の自然環境

■葛飾区の位置 :地名の由来

 「かつしか」という地名は古くからあり、7〜8世紀の日本最初の歌集である『万葉集 』には「勝鹿・勝牡鹿・可豆思加」等、10 世紀の漢和辞書『和 名 類 聚 抄 』には「葛餝」と書かれている。8世紀末に朝廷に仕えた高橋氏が自家の由緒を書いた『高橋氏文』には、景行天皇が「葛餝野」で狩りをしたことが書かれている。
 地名の由来は諸説注釈1あるが、定説はない。行政地名としては、7世紀半ば律令国家体制の整備に伴う国郡制で成立する葛飾郡以降の地名である。「葛」や「葛」はどちらも使われてきたが、昭和 61(1986)年以降、区名と関連表示は「葛」に統一された。

葛飾区域の移り変わり
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旧葛飾郡の位置
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注釈1:アイヌ語を起源とする説や「かずら」が多く繁茂していたことからつけられたとする説、「狩場の方」だったことからつけられたとする説、「かつ」は丘陵や崖の意味、「しか」は砂州などの低地という意味で土地の様子からつけられたとする説などがある。