第3章 地域の歴史
第3節 柴又
■ :柴又
庚申縁日と宵庚申
庚申とは、十干の「庚」と十二支の「申」を組み合わせた日にちの数え方で、60日に1度めぐってきます。柴又帝釈天では、この庚申の日に縁日が行われていて、現在でも大変にぎわっています。江戸時代の1779年、行方不明になっていた帝釈天の像が彫られた板が発見されたのが庚申の日だったことから、庚申の日を縁日としたのです。
かつては、縁日の前夜からなじみの料理店で食事をしたりお酒を飲んだりして一夜を過ごす「宵庚申」が行われにぎわいました。宵庚申をした人は、翌朝一番に帝釈天にお参りしたのです。
江戸時代には現在のような参道や商店はなく、農家の人が副業としてはじめ、庚申の日にあわせてお店を開いていました。現在のような参道が完成したのは、明治時代の終わりごろで、その後、大正時代にかけて現在の商店街のようになっていきました。