葛飾区史

第5章 暮らしの移り変わり


第2節 低地で暮らす

■池の多い土地 :池名の由来

 水元小合上町に蛇池と呼ばれる池があった。周囲に蛇が多くいたことからいつしか蛇池と呼ばれるようになった。
 あるとき、若者達が、集落に祀られていた地蔵を舟に乗せて遊ばせてやろうと思い立った。蛇池に小さな舟を出してその上に地蔵を乗せて遊んでいると、うっかり池の底に沈めてしまった。その夜から地蔵を池に落とした若者は高熱を出してうなされるようになった。それで池をカイボリして地蔵を探し出したところ、池の底から地蔵とともに板碑が見つかり、併せて大切にお祀りすることにしたという。
 このように、昔からある池には様々な由緒や話が付随して人々の記憶に残されていることが多い。