葛飾区史

第2章 葛飾の成り立ち(古代~近世)


第2節 中世の葛飾

■出土遺物から見る葛西城 :葛西城の出土遺物

 多くの攻防が繰り返されてきた葛西城では、当時の遺物が出土している。
●武具:鏃・小柄・刀装具・鉛製の鉄砲玉などの武器や武具類が、主郭を囲む堀などから出土した。
●頭骨:主郭の堀から斬首された女性の頭骨がみつかっている。
●手づくねかわらけ:素焼きの土器であるかわらけは、足利晴氏や義氏が御座した時期に使われたものだと考えられる。
●井戸:手づくねかわらけが出土した井戸は、石組みとともに結桶という短冊状の板を結んでつくった桶を井戸の枠として備えたものであった。
●青花器台:主郭の土坑内から花瓶などをのせる台である中国元代(14世紀)の青花器台が出土している。中国からの伝世品の所有は、高貴な地位を象徴している。
●茶臼:主郭の土坑内から茶葉をひくための道具である茶臼が出土している。
●娯楽と嗜み:瀬戸・美濃焼の茶碗のほか、茶入れや茶壺などが出土しており、城内で茶の湯が嗜まれていたことがわかる。また、将棋の駒やサイコロも出土しており、これらを使っていた様子がわかる。

武具類
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頭骨・復元された顔
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手づくねかわらけ

手づくねとは、回転台(ろくろ)を使わずに粘土をこねて皿の形にしたもの。北条氏の本拠地である小田原でつくられたかわらけが出土している。
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井戸の跡
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中国元代の青花器台

中国産の高級陶磁器は、当時の武家の嗜好品であるとともに所有者の地位の象徴であった。
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蓮弁を刻んだ茶臼

茶の湯に用いる抹茶をつくるために茶臼で茶葉をひいた。
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天目茶碗

堀から出土した瀬戸・美濃焼の天目茶碗(鉄釉をかけてつくられたもの)で、16世紀半ばのものである。城内で、茶の湯が嗜まれていたことがわかる。
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将棋の駒
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