葛飾区史

第4章 現代へのあゆみ(戦後~平成)


第2節 現在の葛飾

■バブル経済の崩壊と進む社会の成熟化 :多様化する地域課題と自治町会活動

 バブル経済の崩壊により、経済成長に陰りが見えると、物的な豊かさだけでなく、心の豊かさや生活の質の向上などがさらに重視されるようになり、社会の成熟化が進展した。その結果、個人の価値観やライフスタイルが多様化し、地域の課題も多様化・複雑化したため、葛飾区民と区の連携強化が求められた。また、平成7(1995)年に発生した阪神・淡路大震災を契機としたボランティア活動への関心の高まりもあり、地域の課題を発見・解決し、より良い地域をつくろうという区民の意識が高まった。これに率先して取り組んだのが、古くから区と両輪で地域づくりを進めてきた自治町会である。
 戦後、町会は昭和22(1947)年の「政令第15号」により解散措置が取られたが、昭和27(1952)年に失効となり、町会の名称使用も可能となって民主的な自治組織、地縁団体として生まれ変わった。5年後の昭和32(1957)年10月に葛飾区自治町会連合会が結成されると、昭和36(1961)年には葛飾区との区政懇談会が行われた。また、昭和58(1983)年には「まちづくり懇談会」が堀切に設立されるなど、活動が活発化し、平成28(2016)年4月現在では241の自治町会が活動している。
 自治町会の活動は、時代によって変化してきた。近年では平成23(2011)年に発生した東日本大震災の教訓から「共助」を実現するための防災訓練や学校避難所運営会議の実施、子どもや高齢者などを狙った犯罪への対応として、防犯カメラの設置や防犯パトロールの実施、わくわくチャレンジ広場事業への協力などに力を注いできた。加えて、美化活動として、クリーン作戦や資源集団回収、地域の絆づくりとして、盆踊りや運動会などの様々な活動を行っている。
 自治町会は、時代に応じた多岐にわたる活動を行うことで地域の課題を解決してきており、地域の実態に沿ったきめ細かなまちづくりに欠かせない存在となっている。

自治町会の活動1

防火訓練
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自治町会の活動2

クリーン作戦
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自治町会の活動3

防犯パトロール
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自治町会の活動4

盆踊り
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