葛飾区史

第5章 暮らしの移り変わり


第3節 都市近郊の農村

■都市近郊農村の娯楽 :四季の娯楽【花見と潮干狩り】

 春の楽しみに花見と潮干狩りがあった。花見は柴又町の江戸川土手が名所で、昭和20年代には芸能人もやって来て、にぎやかに花見をした。柴又町の農家の中には花見客を相手にゆで卵を売ったり、むしろを貸し出したりする人もいた。
 潮干狩りは、下肥運搬船をきれいに洗って地元の人たちがそれに乗り込み、葛西や浦安、 行 徳の干潟に乗り付けていった。潮干狩りに行く船を出すことは下肥の船を経営する船頭たちの副業で、弁当を持ち寄り、葛西囃子の人たちを頼んでにぎやかに川を下って潮干狩りに行った。

花見に興じる人たち(昭和26〔1951〕年、柴又町〔現柴又〕)
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