第3章 地域の歴史
第3節 柴又
■ :柴又
山本亭(柴又7丁目)
大正時代の終わりごろから昭和時代のはじめにかけて建てられた山本亭は、木造2階建てで、長屋門を備えた伝統的な書院造と、大理石の飾り暖炉やステンドグラスをちりばめた洋風建築があわさった建物です。カメラ部品メーカーをつくった山本栄之助が、関東大震災後に浅草からこの地に移り住み、以後4代にわたって住居として使われていました。
当時は洋風建築を取り入れることが裕福な人びとのあいだで流行しました。そのたたずまいを残す貴重な建物で、1991(平成3)年から一般に公開されるようになりました。住宅と調和した和風庭園は外国の日本庭園誌にも紹介されています。