第3章 地域の歴史
第13節 奥戸
■ :奥戸
ほおずきづくり
現在の奥戸の辺りでは、米や野菜などをつくる合間に、ほおずきをつくる農家がありました。葛飾区内でほおずきづくりがさかんだった時期は昭和20年代で、奥戸では15軒ほどがつくっていたそうです。ほおずきは、毎年7月9日、10日に浅草の浅草寺で開かれる「ほおずき市」で売られました。ときには、この2日間で一家が半年ほど暮らしていくことのできる売り上げを手にすることもあったそうです。
鉢に入れて育てたほおずきは、ほおずき市に合わせて、実が少し赤くなりはじめたころに出荷できるように調整して育てられました。ほおずき市では、かごに入れて風鈴をかざりつけて売られました。