○葛飾区準用河川管理施設等の構造の技術的基準に関する条例施行規則
平成25年3月15日
規則第8号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 堤防(第3条―第11条)
第3章 水門及び樋門(第12条―第21条)
第4章 揚水機場及び排水機場(第22条―第24条)
第5章 橋(第25条―第34条)
第6章 伏せ越し(第35条―第38条)
第7章 雑則(第39条)
付則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規則は、葛飾区準用河川管理施設等の構造の技術的基準に関する条例(平成24年葛飾区条例第38号。以下「条例」という。)の施行に関し必要な事項を定めるものとする。
第2章 堤防
(材質及び構造)
第3条 堤防は、盛土により築造するものとする。ただし、土地利用の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められる場合においては、その全部若しくは主要な部分がコンクリート、鋼矢板若しくはこれらに準ずるものによる構造のものとし、又はコンクリート構造若しくはこれに準ずる構造の胸壁を有するものとすることができる。
(高さ)
第4条 堤防の高さは、計画高水位に0.6メートルを加えた値以上とするものとする。ただし、堤防に隣接する堤内の土地の地盤高(以下「堤内地盤高」という。)が計画高水位より高く、かつ、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる区間にあっては、この限りでない。
2 胸壁を有する堤防の胸壁を除いた部分の高さは、計画高水位以上とするものとする。
(天端幅)
第5条 堤防の天端幅は、堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満である区間を除き、3メートル以上とするものとする。
(盛土による堤防の法勾配等)
第6条 盛土による堤防(胸壁の部分及び護岸で保護される部分を除く。次項において同じ。)の法勾配は、堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満である区間を除き、50パーセント以下とするものとする。
2 盛土による堤防の法面は、芝等によって覆うものとする。
(護岸)
第7条 流水の作用から堤防を保護するため必要がある場合においては、堤防の表法面に護岸を設けるものとする。
(水制)
第8条 流水の作用から堤防を保護するため、流水の方向を規制し、又は水勢を緩和する必要がある場合においては、適当な箇所に水制を設けるものとする。
(堤防に沿って設置する樹林帯)
第9条 堤防に沿って設置する樹林帯は、葛飾区長(以下「区長」という。)が別に定めるところにより、洪水時における破堤の防止等について適切に配慮された構造とするものとする。
(管理用通路)
第10条 堤防には、区長が別に定めるところにより、河川の管理のための通路(以下「管理用通路」という。)を設けるものとする。
(天端幅の規定の適用除外等)
第11条 その全部又は主要な部分がコンクリート、鋼矢板又はこれらに準ずるものによる構造の堤防については、第5条の規定は、適用しない。
2 胸壁を有する堤防に関する第5条の規定の適用については、胸壁を除いた部分の上面における堤防の幅から胸壁の直立部分の幅を減じたものを堤防の天端幅とみなす。
第3章 水門及び樋門
(構造)
第12条 水門及び樋門(ゲート及び管理施設を除く。)は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
2 樋門は、堆積土砂等の排除に支障のない構造とするものとする。
(断面形)
第13条 河川を横断して設ける水門及び樋門の流水を流下させる部分の断面形は、計画高水流量(舟の通行の用に供する水門にあっては、計画高水流量及び通行すべき舟の規模)を勘案して定めるものとする。
2 前項の規定は、河川以外の水路が河川に合流する箇所において当該水路を横断して設ける水門及び樋門について準用する。
2 ゲート及び門柱の全長が30メートル未満であるときは、前項の規定にかかわらず、ゲート及び門柱の径間長を12.5メートル以上とすることができる。
(河川を横断して設ける樋門の内法幅)
第16条 河川を横断して設ける樋門で2門以上のゲートを有するものの内法幅は、5メートル以上とするものとする。ただし、内法幅が内法高の2倍以上となるときは、この限りでない。
(ゲート等の構造)
第17条 水門及び樋門のゲートは、確実に開閉し、かつ、必要な水密性を有する構造とするものとする。
2 水門及び樋門のゲートは、鋼構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
3 水門及び樋門のゲートの開閉装置は、ゲートの開閉を確実に行うことができる構造とするものとする。
(水門のゲートの高さ等)
第18条 水門のカーテンウォールの上端の高さ又はカーテンウォールを有しない水門のゲートの閉鎖時における上端の高さは、水門に接続する堤防の高さを下回らないものとする。
2 河川を横断して設ける水門(流水を分流させる水門を除く。)のカーテンウォールの下端の高さ及び引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、計画高水位に0.6メートルを加えた値以上で、当該地点における河川の両岸の堤防の表法肩を結ぶ線の高さを下回らないものとする。
3 地盤沈下のおそれがある地域に設ける河川を横断して設ける水門のカーテンウォールの下端の高さ及び水門の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、前項の規定によるほか、予測される地盤沈下及び河川の状況を勘案して必要と認められる高さを下回らないものとする。
(管理施設等)
第19条 水門及び樋門には、必要に応じ、管理橋その他の適当な管理施設を設けるものとする。
2 水門は、区長が別に定めるところにより、管理用通路としての効用を兼ねる構造とするものとする。
(護床工)
第20条 水門又は樋門を設ける場合において、これに接続する河床の洗掘を防止するため必要があるときは、適当な護床工を設けるものとする。
(護岸)
第21条 水門又は樋門を設ける場合においては、流水の変化に伴う河岸又は堤防の洗掘を防止するため、区長が別に定めるところにより、護岸を設けるものとする。
第4章 揚水機場及び排水機場
(排水機場の吐出水槽等)
第22条 樋門を有する排水機場には、吐出水槽その他の調圧部を設けるものとする。ただし、樋門が横断する河岸又は堤防の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。
2 吐出水槽その他の調圧部の上端の高さは、排水機場の樋門が横断する堤防の高さ以上とするものとする。
(流下物排除施設)
第23条 揚水機場及び排水機場には、土砂、竹木その他の流下物を排除するため、沈砂池、スクリーンその他の適当な流下物排除施設を設けるものとする。ただし、河川管理上の支障がないと認められるときは、この限りでない。
(樋門)
第24条 揚水機場及び排水機場の樋門と樋門以外の部分とは、構造上分離するものとする。ただし、樋門が横断する河岸又は堤防の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。
2 第16条の規定は、揚水機場又は排水機場の樋門でポンプによる揚水又は排水のみの用に供されるものについては、適用しない。
第5章 橋
(橋台)
第25条 堤防に設ける橋台(河岸又は川幅が50メートル以上の河川に係る堤防に設けるものを除く。)は、堤防の表法肩より表側の部分に設けてはならない。
2 堤防に設ける橋台の表側の面は、堤防の法線に平行して設けるものとする。ただし、堤防の構造に著しい支障を及ぼさないために必要な措置を講ずるときは、この限りでない。
3 堤防に設ける橋台の底面は、堤防の地盤に定着させるものとする。
2 河道内に設ける橋脚の基礎部は、低水路の河床の表面から深さ2メートル以上の部分に設けるものとする。ただし、河床の変動が極めて小さいと認められるとき、又は河川の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められるときは、低水路の河床の表面より下の部分に設けることができる。
(径間長)
第27条 橋脚を河道内に設ける場合においては、当該箇所において洪水が流下する方向と直角の方向に河川を横断する垂直な平面に投影した場合における隣り合う河道内の橋脚の中心線間の距離(河岸又は堤防に橋台を設ける場合においては橋台の胸壁の表側の面から河道内の直近の橋脚の中心線までの距離を含む。以下この条において「径間長」という。)は、河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる場合を除き、20メートル以上とするものとする。
(1) 川幅が30メートル未満の河川に設ける橋 12.5メートル
(2) 川幅が30メートル以上の河川に設ける橋 15メートル
3 河道内に橋脚が設けられている橋その他の河川を横断して設けられている施設に近接して設ける橋の径間長については、これらの施設の相互の関係を考慮して治水上必要と認められる範囲内において区長が特則を定めることができる。
(桁下高)
第28条 橋の桁下高は、計画高水位に0.6メートルを加えた値以上で、当該地点における河川の両岸の堤防の表法肩を結ぶ線の高さを下回らないものとするものとする。
(桁下高の特例)
第29条 地盤沈下のおそれがある地域に設ける橋の桁下高は、前条の規定によるほか、予測される地盤沈下及び河川の状況を勘案して必要と認められる高さを下回らないものとする。
(護床工)
第30条 橋を設ける場合において、これに接続する河床の洗掘を防止するため必要があるときは、適当な護床工を設けるものとする。
(護岸)
第31条 橋を設ける場合においては、流水の変化に伴う河岸又は堤防の洗掘を防止するため、区長が別に定めるところにより、護岸を設けるものとする。
(河岸又は堤防の保護)
第32条 前条の規定による場合のほか、橋の下の河岸又は堤防を保護するため必要があるときは、河岸又は堤防をコンクリートその他これに類するもので覆うものとする。
(管理用通路の構造の保全)
第33条 橋(取付部を含む。)は、区長が別に定めるところにより、管理用通路の構造に支障を及ぼさない構造とするものとする。
第6章 伏せ越し
(構造)
第35条 堤防を横断して設ける伏せ越しにあっては、堤防の下に設ける部分とその他の部分とは、構造上分離するものとする。ただし、堤防の地盤の地質、伏せ越しの深さ等を考慮して、堤防の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。
2 伏せ越しは、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
3 伏せ越しは、堆積土砂等の排除に支障のない構造とするものとする。
(ゲート)
第36条 伏せ越しには、流水が河川外に流出することを防止するため、河川区域内の部分の両端又はこれに代わる適当な箇所に、ゲート(バルブを含む。次項において同じ。)を設けるものとする。ただし、地形の状況により必要がないと認められるときは、この限りでない。
2 伏せ越しのゲートの開閉装置は、ゲートの開閉を確実に行うことができる構造とするものとする。
(管理施設)
第37条 伏せ越しには、必要に応じ、管理橋その他の適当な管理施設を設けるものとする。
(深さ)
第38条 伏せ越しは、低水路においては低水路の河床の表面から、堤防の下の部分においては堤防の地盤面から、それぞれ深さ2メートル以上の部分に設けるものとする。ただし、河床の変動が極めて小さいと認められるとき、又は河川の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められるときは、それぞれ低水路の河床の表面又は堤防の地盤面より下の部分に設けることができる。
第7章 雑則
(小河川の特例)
第39条 計画高水流量が1秒間につき100立方メートル未満の小河川に設ける河川管理施設等については、区長が別に定めるところにより、この規則の規定によらないものとすることができる。
付則
この規則は、平成25年4月1日から施行する。