○葛飾区認知症と共に生きるまちづくり条例
令和8年3月27日
条例第2号
人生100年時代が間近に迫る今、いつまでも住み慣れた地域で自分らしくいきいきと安心して暮らし続けることは、全ての区民の願いです。
認知症は誰にとっても身近なものであり、認知症になったからといって、その人自身が何も分からなくなる、何もできなくなるわけではありません。認知症と共に生きる時間は、かけがえのない人生の一部であり、一人一人が持つ個性や能力、そして「できること、やりたいこと」は尊重されなければなりません。
認知症になってもいつまでも住み慣れた地域で自分らしくいきいきと安心して暮らし続けることができる葛飾であるために、私たちは、認知症に向き合い、認知症を知り、認知症の人とその家族の思いを理解し、共に生きる地域の一員として支え合うことが必要となります。
私たちは、認知症の人もそうでない人も区民一人一人が相互に尊重し、支え合いながら共生し、認知症になってもいつまでも住み慣れた地域で自分らしくいきいきと安心して暮らし続けることができる葛飾を実現するために、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、認知症の人が基本的人権を享有する個人として、自らの意思が尊重され、その人らしく生きられる地域共生社会の実現に向けた基本理念を定め、葛飾区(以下「区」という。)、区民、事業者及び関係機関の役割を明らかにするとともに、認知症施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項を定めることにより、認知症と共に生きるまちづくりの推進に寄与することを目的とする。
(1) 認知症 介護保険法(平成9年法律第123号)第5条の2第1項に規定する認知症をいう。
(2) 区民 区内に在住し、在学し、又は在勤する者をいう。
(3) 事業者 区内で事業活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。
(4) 関係機関 区内で医療又は介護を提供する事業所その他の認知症の人及び家族等の支援に関わる機関をいう。
(5) 家族等 認知症の人の家族その他日常生活において密接な関係を有する者をいう。
(基本理念)
第3条 区、区民、事業者及び関係機関は、認知症に関する正しい知識及び理解に基づき、それぞれの役割を果たし、認知症の人もそうでない人も区民一人一人が相互に尊重し、支え合いながら共生し、認知症になってもいつまでも住み慣れた地域で自分らしくいきいきと安心して暮らし続けることができる葛飾の実現を目指すものとする。
(区の役割)
第4条 区は、前条に規定する基本理念に基づき、国、東京都(以下「都」という。)、他の地方公共団体、区民、事業者及び関係機関と連携を図りながら、認知症施策を総合的かつ計画的に推進し、誰もが自分らしく生きることができる共生社会を実現するよう取り組むものとする。
(区民の役割)
第5条 区民は、認知症に関する正しい知識を持ち、その理解を深めるよう努めるものとする。
2 区民は、認知症の人及び家族等が安心して暮らすことができるよう、互いに支え合い、地域社会の形成に寄与するよう努めるものとする。
3 区民は、国、都及び区の認知症施策並びに事業者及び関係機関が実施する取組に協力するよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、その従業者が認知症に関する正しい知識を持ち、その理解を深められる機会を設けるよう努めるものとする。
2 事業者は、認知症の人及び家族等が働きやすい環境の整備に努めるとともに、就労の継続のために必要な配慮をするよう努めるものとする。
3 事業者は、サービスの提供に当たり、認知症の人の意向を重視し、必要かつ合理的な配慮を行うよう努めるものとする。
4 事業者は、国、都及び区の認知症施策並びに区民及び関係機関が実施する取組に協力するよう努めるものとする。
(関係機関の役割)
第7条 関係機関は、認知症の人及び家族等の状態に応じて、適切なサービスが提供できるよう相互間の連携に努めるものとする。
2 関係機関は、その専門性を生かし、地域に向けた認知症の理解促進、啓発等に関する取組を実施するよう努めるものとする。
3 関係機関は、国、都及び区の認知症施策並びに区民及び事業者が実施する取組に協力するよう努めるものとする。
(計画の策定)
第8条 区は、認知症施策を総合的かつ計画的に推進するため、区の認知症施策に関する計画(以下「区計画」という。)を策定するものとする。
2 区は、区計画の策定及び変更に当たっては、認知症の人及び家族等その他の関係者の意見を反映させるよう努めるものとする。
3 区は、区計画に掲げる施策の実施状況について定期的に評価し、必要に応じて見直しを行うものとする。
(委任)
第9条 この条例の施行に関し必要な事項は、葛飾区長が別に定める。
付則
この条例は、公布の日から施行する。