○葛飾区集合住宅等の建築及び管理に関する条例

令和4年3月30日

条例第4号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 建築計画の周知等(第6条・第7条)

第3章 建築及び管理に関する基準(第8条―第17条)

第4章 住環境に関する基準(第18条―第21条)

第5章 相隣関係(第22条―第24条)

第6章 工事完了の検査等(第25条・第26条)

第7章 雑則(第27条・第28条)

付則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、集合住宅及びシェアハウスの建築及び管理並びに小規模集合住宅の管理に関する基本的事項を定めることにより、良質な集合住宅、シェアハウス及び小規模集合住宅の確保及び良好な近隣関係の維持向上を図り、もって快適な住環境及び生活環境の形成に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において使用する用語の意義は、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)で使用する用語の例による。

2 前項に規定するもののほか、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 集合住宅 住戸数又は住室数が15以上の共同住宅、寄宿舎又は長屋のうち、階数(住宅の用に供しない地階の階数を除く。)が3以上のものをいう。

(2) 小規模集合住宅 住戸数が6以上の共同住宅又は長屋のうち、階数(住宅の用に供しない地階の階数を除く。)が2以上で集合住宅に該当しないものをいう。

(3) シェアハウス 住室数が6以上の寄宿舎のうち、階数(住宅の用に供しない地階の階数を除く。)が2以上で集合住宅に該当しないものをいう。

(4) 住戸 居室を有し、台所、浴室(シャワー室を含む。次号において同じ。)及び便所の設備を有する区画された建築物の部分をいう。

(5) 住室 居室を有し、台所、浴室又は便所の設備のいずれか又は全てを有しない区画された建築物の部分をいう。

(6) 建築主 集合住宅、小規模集合住宅又はシェアハウスに関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。

(7) 所有者等 集合住宅、小規模集合住宅又はシェアハウスの所有者(建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号)第2条第2項に規定する区分所有者を含む。)及び当該所有者から委託を受けてこれらの建築物の管理を行う者をいう。

(適用)

第3条 この条例の適用は、葛飾区規則(以下「規則」という。)で定める建築物を除き、次の各号に掲げる建築物(以下これらを「指定建築物」という。)に応じ、当該各号に定める行為について適用する。

(1) 集合住宅及びシェアハウス 建築及び管理

(2) 小規模集合住宅 管理

2 既に存する建築物の増築又は用途の変更(以下「増築等」という。)をする場合において、当該増築等の後の建築物(既に存する建築物の部分を含み、規則で定める部分を除く。以下この項において同じ。)が指定建築物に該当するときは、当該増築等の後の建築物を指定建築物とみなして、この条例を適用する。

3 法第86条第1項若しくは第2項の規定により同一敷地内にあるとみなされる2以上の建築物又は法第86条の2第1項の規定による認定を受けることにより同一敷地内にあるとみなされる2以上の建築物が、1の建築物とみなすことにより1つの指定建築物に該当することとなる場合における当該1の建築物とみなされる2以上の建築物の建築及び管理については、当該2以上の建築物を1の建築物とみなして、この条例を適用する。

4 建築物の敷地に隣接する土地に、当該建築物(以下「先行建築物」という。)の建築主若しくは所有者又は先行建築物に係る敷地の所有者が、先行建築物に係る法第7条第5項又は第7条の2第5項の規定による検査済証の交付を受けた日から1年以内に新たに別の建築物を新築する工事に着手する場合において、先行建築物と新たに新築する別の建築物とを1の建築物とみなすと指定建築物に該当することとなったときは、先行建築物及び新たに新築する別の建築物を指定建築物とみなす。

(区の責務)

第4条 区は、この条例の目的を達成するため、建築主及び所有者等の理解と協力の下に、指定建築物の建築及び管理について適切な指導及び助言を行うよう努めなければならない。

(建築主及び所有者等の責務)

第5条 建築主及び所有者等は、指定建築物の建築及び管理に当たっては、周辺環境への影響に配慮し、円滑な近隣関係の維持に努めなければならない。

第2章 建築計画の周知等

(近隣説明)

第6条 建築主は、集合住宅の建築計画の内容について、戸別訪問又は説明会(次項及び第27条第1項第1号において「説明会等」という。)の方法により、近隣関係住民(当該集合住宅の建築に係る敷地境界線から当該集合住宅の高さと等しい水平距離の範囲内にある土地又は建築物に関して権利を有する者及び当該範囲内に居住する者をいう。第3項及び同号において同じ。)次条第1項の規定による提出をする前に説明しなければならない。

2 建築主は、前項の規定により行った説明会等の内容について、葛飾区長(以下「区長」という。)に報告しなければならない。

3 集合住宅が葛飾区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例(昭和54年葛飾区条例第2号。以下この項において「紛争予防条例」という。)又は東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例(昭和53年東京都条例第64号。以下この項において「東京都紛争予防条例」という。)の適用を受ける場合においては、第1項の規定による近隣関係住民に対する説明は、紛争予防条例第6条第1項又は東京都紛争予防条例第6条第1項の規定による近隣関係住民に対する説明をもってこれに代えることができる。

(建築計画書等の提出)

第7条 建築主は、集合住宅又はシェアハウスの建築に当たっては、法第6条第1項又は第6条の2第1項に規定する確認の申請の30日前までに規則で定めるところにより、建築計画書を区長に提出しなければならない。

2 区長は、前項の建築計画書の提出があった場合は、当該建築計画書がこの条例の規定に適合するかどうかを審査し、審査の結果に基づいてこれらの規定に適合するものと認めたときは、建築主に審査済証を交付するものとする。

3 建築主は、前項の建築計画書の内容を変更しようとする場合は、速やかに建築変更計画書を区長に提出しなければならない。

4 建築主は、集合住宅又はシェアハウスの所有権を第三者に譲渡するときは、第1項及び前項の規定により提出した書類並びに第2項の規定により交付を受けた書類を当該第三者に承継させなければならない。

第3章 建築及び管理に関する基準

(住戸等の床面積の基準)

第8条 建築主は、集合住宅の住戸及び住室の床面積を25平方メートル以上としなければならない。ただし、集合住宅のうち、規則で定める寄宿舎にあっては、その住室の床面積を規則で定める床面積以上とすることができる。

2 建築主は、シェアハウスの住室の床面積を9平方メートル以上とし、当該シェアハウスの延べ面積を、住室数に15平方メートルを乗じたものに10平方メートルを加えた面積以上としなければならない。

(居室の基準)

第9条 建築主は、集合住宅の居室の天井の高さを2.3メートル以上としなければならない。ただし、区長がやむを得ない理由があると認めた場合においては、この限りでない。

(災害対策)

第10条 建築主は、集合住宅を建築する場合は、規則で定めるところにより、災害対策を講じなければならない。

2 建築主は、大規模な水害が発生した場合において、自立して居住が継続できるよう集合住宅の浸水対策に努めなければならない。

(防災備蓄倉庫)

第11条 建築主は、集合住宅を建築する場合は、規則で定める基準を満たす防災備蓄倉庫を設置しなければならない。

(バリアフリーの配慮)

第12条 建築主は、集合住宅を建築する場合は、当該集合住宅を規則で定める基準を満たすバリアフリーに配慮した建築物としなければならない。

2 建築主又は所有者等は、集合住宅に入居を希望する高齢者、障害者等を受け入れるよう努めなければならない。

(集会室)

第13条 建築主は、床面積が30平方メートル以上の住戸又は住室の数が50以上の集合住宅を建築する場合は、規則で定める基準により、集会室を設置しなければならない。

2 建築主は、集合住宅(前項に規定する集合住宅を除く。)を建築する場合は、集会室の設置に努めなければならない。

(駐車施設)

第14条 建築主は、集合住宅を建築する場合は、規則で定める基準を満たす駐輪場及び車寄せを整備しなければならない。ただし、規則で定める場合においては、この限りでない。

(廃棄物保管場所)

第15条 建築主は、集合住宅を建築する場合は、当該集合住宅又はその敷地内に、規則で定める基準を満たす廃棄物保管場所を設置しなければならない。

(管理に関する基準)

第16条 建築主及び所有者等は、指定建築物を適正に管理するために、規則で定める措置を講じなければならない。

(管理規約等)

第17条 所有者等は、指定建築物を管理するに当たり、規則で定めるところにより、管理規約等を作成し、当該管理規約等を入居者に周知しなければならない。

第4章 住環境に関する基準

(空地)

第18条 建築主は、敷地面積が1,000平方メートル以上の集合住宅を建築する場合は、規則で定める基準により、公共の用に供する空地を整備しなければならない。

(防火用貯水槽)

第19条 建築主は、集合住宅を建築する場合は、当該集合住宅の敷地を管轄する消防署と協議し、必要に応じて、規則で定める基準を満たす防火用貯水槽を設置しなければならない。

(雨水流出抑制)

第20条 建築主は、集合住宅を建築する場合は、区長と協議し、当該集合住宅又はその敷地内に、雨水の河川等への流出を抑制するための施設を整備しなければならない。

(道路の整備)

第21条 建築主は、集合住宅を建築する場合は、当該集合住宅の敷地に関し、法第42条第2項の規定に該当する道路その他規則で定める道路を規則で定める基準により、区長と協議の上、道路状に整備しなければならない。

第5章 相隣関係

(外壁後退)

第22条 建築主は、集合住宅を建築する場合は、当該集合住宅の外壁又はこれに代わる柱の面から隣地境界線までの距離を50センチメートル以上確保しなければならない。ただし、区長がやむを得ない理由があると認めた場合においては、この限りでない。

(町会又は自治会の加入促進に関する協議)

第23条 建築主又は所有者等は、集合住宅を分譲又は賃貸する場合において、当該集合住宅の入居予定者の町会又は自治会への加入に関し、当該集合住宅の存する地域の町会又は自治会と協議を行い、その結果を書面により区長に報告しなければならない。

2 建築主又は所有者等は、前項に定めるもののほか、指定建築物の入居予定者の町会又は自治会への加入に関し、規則で定める措置を講じなければならない。

(都市景観)

第24条 建築主は、集合住宅の意匠が周辺の地域における風致と著しく不調和とならないよう努めなければならない。

第6章 工事完了の検査等

(工事完了検査等)

第25条 建築主は、集合住宅の工事が完了したときは、完了届により、区長に届け出なければならない。

2 区長は、前項の規定による届出があった場合は、遅延なく、当該届出をした建築主の同意を得て、職員を集合住宅及びその敷地に立ち入らせ、この条例の規定に適合しているかどうかを確認するものとする。

3 区長は、前項の規定による確認の結果、当該集合住宅及びその敷地がこの条例の規定に適合していると認めたときは建築主に対し速やかに適合証を交付し、適合していないと認めたときは建築主に対し必要な措置を講ずるよう要請するものとする。

(報告)

第26条 区長は、必要があると認めたときは、指定建築物の建築主又は所有者等に対し、当該指定建築物の建築又は管理に関し必要な報告を求めることができる。

第7章 雑則

(勧告及び公表)

第27条 区長は、次に掲げる者に対し、必要があると認めたときは、必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

(1) 第6条第1項の規定による近隣関係住民への説明を行わない者

(2) 第6条第2項の規定による報告を行わない者

(3) 第7条第1項の規定による建築計画書の提出又は同条第3項の規定による建築変更計画書の提出を行わない者

(4) 第7条第2項の規定による審査済証の交付を受けずに工事に着手した者

(5) 第25条第1項の規定による届出を行わない者又は同条第3項の規定による要請に応じない者

(6) 前条に規定する報告の求めに応じない者

2 区長は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わなかった場合は、その旨及び氏名(法人の場合は名称及び代表者名)の公表を行うことができる。

3 区長は、前項の規定による公表を行う場合は、あらかじめ、当該公表をされるべき者にその理由を通知し、その者が意見を述べ、証拠を提示する機会を与えなければならない。

(委任)

第28条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和4年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日前に、葛飾区中高層集合住宅等建設指導要綱(昭和61年12月22日付け61葛都都発第33号)第7条第1項の規定による協議があった建築物で、指定建築物に該当するものの建築については、この条例の規定は適用しない。

葛飾区集合住宅等の建築及び管理に関する条例

令和4年3月30日 条例第4号

(令和4年10月1日施行)

体系情報
第13編 都市計画/第2章
沿革情報
令和4年3月30日 条例第4号