1面 No.1896 令和4年(2022年)12月25日 発行/葛飾区 編集/広報課 広報かつしか 〒124-8555 立石5-13-1 電話03-3695-1111 毎月5・15・25日発行 葛飾区は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。 (タイトル)かつしか人(びと)若い力が活躍! 区内で地域のためにひた向きに活動したり、スポーツや文化・芸術に一生懸命取り組んだりしている若い世代の方を紹介します。 これまでに掲載した「かつしか人」は区ホームページからご覧になれます。 【担当課】広報課 電話03-5654-8116 八重樫打刃物(やえがしうちはもの)製作所(立石3-4-7)  江戸打刃物の鍛冶(かじ)屋。熱された炭が赤く燃える工房では、葛飾区伝統工芸士で「4代目宗秋(むねあき)」の八重樫潤一(じゅんいち)さんと叔父の忠夫(ただお)さん、2人の若いお弟子さんの4人で打刃物※を製作している。「総火造(そうひづく)り」という型を使わない伝統製法を主としており、料理人が使う「和包丁」の他、大工が使う「かんな」や「のみ」など、高い性能が求められるさまざまな道具が作り出されている。  ※軟鉄(なんてつ)と鋼(はがね)などを炉で熱してハンマーで打ち、形状を作った刃物 (タイトル)八重樫打刃物製作所のお弟子さん2人にインタビュー 小沼亮介(こぬま りょうすけ)さん  修行7年目。大学卒業後、都内で1年働いた後、「やりたい仕事をしたい」との思いから、八重樫打刃物製作所の職場見学に参加。八重樫さんの刃物作りに興味を持ち、弟子入り。  伝統的な江戸打刃物の技術を未来へ残すため、製造法を学び、技術を受け継いでいきたい 大月正高(おおつき まさたか)さん  修行5年目。大学卒業後、地元の九州で8年働いた後、趣味の釣りで包丁に触れる機会が多かったことと、伝統工芸品の打刃物に興味があったため、弟子入り。  一人前の鍛治師になり、お客さまに満足していただけるものを提供できるようになりたい ●弟子入りした時から今までの仕事内容を教えてください ―小沼さん  刃物鍛冶の仕事は全くの未経験だったため、初歩的なところから教わりました。最近は、革細工で使用する針を製作しています。また、火造りで軟鉄と鋼をくっつけるため、大きなハンマーと小さなハンマーで交互に叩いて圧着する作業を親方(潤一さん)や忠夫さんと一緒に行っています。 ―大月さん  私も、のこぎりなどの道具の使い方から教わりました。作業としては、焼き入れで使う炭を切る「炭切り」から始め、最近は、包丁の持ち手部分である柄(え)を作っています。 ●仕事に取り組むにあたり意識していることはありますか ―小沼さん  刃物の製作依頼で、特にものづくりの職人さんからの依頼となると、寸法の注文が0.1ミリ単位と、細かなこともあります。どのような依頼であっても、お客さまに満足してもらえるように、丁寧に正確に作ることを意識しています。 ―大月さん  買ってくれるお客さまのことを考えることです。より良い物を提供できるよう、自分が今出せる力を出すことを意識して製品を作っています。 ●やりがいを感じる瞬間を教えてください ―小沼さん  包丁だけを作るなど専業の鍛冶屋さんが多い中、私たちはさまざまな注文を受けています。中には、今まで作ったことのない物を作ることもあります。前例がない物をどうやって作るか考えることは難しくて大変ですが、苦労した分、完成した時には達成感があります。 ―大月さん  自分の作った物がお客さまの手に渡り、喜んでいただけた時です。また、自分のイメージ通りのものを作れた時にもやりがいを感じます。 ●今後の目標や抱負を聞かせてください ―小沼さん  伝統的な江戸打刃物の製造技術を親方(潤一さん)や忠夫さんから学び、その技術を受け継ぎたいです。そして、私たちより後の世代にも技術を継承し、未来へ残していきたいです。 ―大月さん  親方(潤一さん)や忠夫さんがやっていることを学んで、包丁だけでなく「かんな」や「のみ」など、さまざまな刃物を作り、お客さまに満足していただける物を提供できるようになりたいです。一人前の鍛治師になって、いずれは自分の鍛冶屋をやっていきたいです。 区施設の年末年始開館状況は12面をご覧ください