2面 タイトル 夢に向かって続ける力を葛飾で学んだ 将棋棋士 渡辺明(わたなべあきら)さん プロフィール 1984年4月23日生まれ。葛飾区お花茶屋出身。15歳でプロ棋士となり「中学生棋士」として注目を集める。竜王戦を5連覇し、初の永世竜王の称号を得る。2013年は獲得賞金・対局料ランキングで1位に輝いた。現在は棋王・王将の2冠(2014年12月発表)。 小学1年生から始まったプロ棋士への道  父が将棋ファンだったので、その姿を見て小学1年生で将棋を始めました。将棋は「週末の習い事」という感じで、普段はよく友達と遊び回っていました。  将棋を習うと、大人と接して対局することが多いので、敬語や礼儀作法も自然と身に付きました。  将棋のルールを覚える子は多いですが、長く将棋を続ける子はあまりいないですね。私は、「プロ棋士になる」という目標があったから、長く続けられたと思います。 思い出がたくさん、母校の宝木塚小学校や葛飾の街並み  お花茶屋の街並みは昔とほとんど変わらない感じがいいですね。小学校も全然変わっていないです。小学生の時は、自転車で区内のあちこちの公園に行って遊んだのが一番の思い出ですね。私も息子がいますが、葛飾は緑や公園が多くて、子どもが健やかに育つ良い環境だと思います。今の子どもたちにもそういった場所で遊んでほしいです。 故郷への思いを込めた「ふるさと基金」  大好きな『キャプテン翼』の高橋陽一先生が葛飾を支援しているのを新聞で見て、自分もいつかそういう機会があればと思っていました。最近は「故郷がどうなっているんだろう」と考えることもあって、葛飾区の「ふるさと基金」に寄付をさせていただきました。 続けることが大切  例年、抱負は考えないので、強いて言えば同じサイクルで普段の生活を続け、今まで通りやるということです。一つのことを長く続けていくことは大変なことだと思います。  今は、一番多くタイトルを持っている羽生(善治)さんが一番意識している方です。勝機をつくるために、これからの10年ぐらいは棋士としてどう成長していけるかが課題だと思っています。 葛飾の子どもたちへ 夢を持って、精一杯頑張ってほしい  小・中学生の頃は、いろいろなものをめざせます。  私は将棋が目の前にあったから、それに向かっていけました。葛飾の子どもたちも夢を持って、好きなものを見つけてそれに向かって頑張ってほしいです。 児童が渡辺棋士に挑戦!  母校の宝木塚小学校で、将棋好きの子どもたちとの6面指しや、質問タイムで触れ合いました。 ―世界でどのくらい強いんですか  将棋は日本でしかやっていません。日本の将棋の試合は全部で7つ(竜王戦・名人戦・棋聖戦・王位戦・王座戦・棋王戦・王将戦)あって、将棋のプロはそれを奪い合っています。羽生(善治)さんが4つ持っていて一番強くて、次は僕が2つ。タイトルの数だけでいうと、僕は日本で2番目に強いということになります。 ―負けたことはありますか  負けたことはいっぱいあります。負けたとき、どうして負けたかなって考えると強くなれます。子どものうちは負けても続けるとどんどん強くなりますよ。 タイトル 私は葛飾≠ニスウェーデンのハーフ 映画コメンテーター LiLiCo(リリコ)さん プロフィール 1970年11月16日生まれ。スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日し、葛飾区立石で暮らし始める。主に映画コメンテーターとして、テレビにも多数出演。女優・歌手としても幅広く活動している。  平成26年9月、立石フェスタの中で開催された、『立石ぴいこ音楽祭』にLiLiCoさんがゲスト出演しました。『立石ぴいこ音楽祭』は、LiLiCoさんの祖母と叔父が立石で経営していた「ライブ喫茶ぴいこ」がきっかけで誕生しました。 立石で歌うことは私の原点  『立石ぴいこ音楽祭』に出演した時は、お客さんがたくさん集まってくれて本当に嬉しかったです。  葛飾に住んでいた頃は毎晩のように祖母のライブ喫茶で歌っていたので、立石でギター一本で歌うことは私の原点に戻るという、とても意味のあることでした。  あのライブを通じて子どもたちに「夢を持つ大切さ」を知ってほしかったんです。私が立石から芸能人になる夢をかなえたように、夢はかなえられる、ということを伝えたかったんです。 葛飾が縁結び!下町仲間  内山勇士(うちやまゆうじ)さんの『野良スコ』の作品を見て「この舞台、葛飾じゃない?」という話になりました。それで内山さんも葛飾に縁のある方だと分かったんです。  その後『野良スコ』の声優で共演した、作家のいとうせいこうさんも葛飾出身と分かり、みんな葛飾でつながりました。今ではすっかり下町仲間です。実は今日も立石にみんなで集まります。今、立石で飲み屋のはしごをするのが私の周りではやってるんですよ(笑)。 葛飾はありのままでいられる私の故郷  葛飾は私のホームタウン。芸能人ではなく、ありのままの自分でいられる場所です。  昔はよくダイエットのためにジョギングをしてましたね。本田警察署(現在は葛飾警察署)から6号線沿いを走り、区役所を通るコースを毎日3周。ジョギング中に、道に迷ったお年寄りを助けたこともありました。  葛飾は昔の日本の良さも新しい部分も両方あって、都会に住んで忘れてしまった人情味が残っている場所だから、これからも皆さんに大切に守っていってほしいです。 もっと葛飾を全国にPRしたい!  映画やアニメの舞台になってはいるけれど、まだ「立石ってどこ?」と聞かれてしまうから、もっと全国へ葛飾の良さを発信したいですね。葛飾につながりがあることをみんなに言いたくて、どこの出身?と聞かれたら「葛飾とスウェーデンのハーフ」と答えています。  都心からの交通の便が良くて、人情もあっておいしい食べ物もそろっている。  押上や浅草には人が来るようになったので、もうあと一歩!葛飾の魅力を伝えるなら今が絶好のチャンスじゃないかと思っています。私ももっとPRしていきます!