○葛飾区被災市街地復興対策に関する条例

平成22年3月29日

条例第6号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 葛飾区震災復興本部(第6条―第8条)

第3章 被災市街地の復興(第9条―第15条)

第4章 地域協働復興に関する活動の促進(第16条)

第5章 雑則(第17条)

付則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、葛飾区(以下「区」という。)が大規模な地震により被害を受けた場合において、区民(区内の土地又は建物に関し権利を有する者を含む。以下同じ。)、事業者及び区が協働して、被災した市街地の整備に係る対策を総合的かつ計画的に推進することにより、被災した市街地の円滑な復興を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例における用語の意義は、次の各号に掲げるもののほか、建築基準法(昭和25年法律第201号)の例による。

(1) 建築物等 建築物及び建築物以外の工作物で葛飾区規則(以下「規則」という。)で定めるものをいう。

(2) 震災復興事業 大規模な地震により被害を受けた市街地(以下「被災市街地」という。)の復興を図るため、計画的に整備する事業をいう。

(復興の理念)

第3条 区民、事業者及び区は、被災市街地の復興に当たっては、協働して災害に強いまちづくりを進めるよう努めなければならない。

(区の責務)

第4条 区は、東京都及び関係する地方公共団体と連携を図り、被災後速やかに、被災市街地の復興に関する理念、目標その他の基本的な方針(第11条第1項において「葛飾区都市復興基本方針」という。)を策定し、これを公表するとともに、区民及び事業者と協働して震災復興事業その他必要な事業を推進するものとする。

(区民及び事業者の責務)

第5条 区民及び事業者は、被災市街地の復興に努めるとともに、震災復興事業に協力するものとする。

第2章 葛飾区震災復興本部

(設置)

第6条 葛飾区長(以下「区長」という。)は、震災復興事業を推進するために必要があると認めるときは、葛飾区震災復興本部(以下この章において「復興本部」という。)を置くことができる。

(組織)

第7条 復興本部に本部長、副本部長及び本部員を置く。

2 本部長は、区長をもって充てる。

3 本部長は、復興本部を代表し、会務を総理する。

4 副本部長及び本部員は、職員のうちから本部長が指名する者をもって充てる。

5 副本部長は、本部長を補佐し、本部長に事故があるときは、その職務を代理する。

6 本部員は、本部長の命を受け、復興本部の事務に従事する。

(部の設置及び組織)

第8条 復興本部に部を置く。

2 部に部長を置く。

3 部長は、本部員のうちから本部長が指名する者をもって充てる。

4 部長は、本部長の命を受け、部の事務を掌理する。

第3章 被災市街地の復興

(復興対象地区の指定)

第9条 区長は、次の各号に掲げる地区を復興対象地区として指定することができる。

(1) 重点復興地区 震災により、建築物等の集中的倒壊若しくは面的焼失又は都市基盤施設の損壊等の壊滅的な被害を被り、震災復興のための建築物等の更新(災害に強いまちづくりを促進するため、耐震性及び耐火性の高い建築物等の新築、改築又は増築を行うことをいう。第3号において同じ。)及び都市基盤施設の整備(次号において「都市基盤施設の整備等」という。)を緊急かつ重点的に行うことが必要な地区

(2) 復興促進地区 震災により、相当数の建築物等が倒壊又は焼失し、かつ、その地区内の一部の地域が建築物等の集中的倒壊若しくは面的焼失又は都市基盤施設の損壊等甚大な被害を被り、当該地域を含めた都市基盤施設の整備等を一体的に行うことが必要な地区

(3) 復興誘導地区 震災により、建築物等が倒壊又は焼失し、当該建築物等の更新を誘導することが必要な地区

2 前項の規定による復興対象地区の指定の基準は、規則で定める。

3 区長は、第1項の規定により復興対象地区を指定したときは、その旨を告示しなければならない。

(復興対象地区の指定の変更)

第10条 区長は、震災復興事業の進ちょく状況を考慮して必要があると認めるときは、前条第1項の規定による復興対象地区の指定を変更することができる。

2 前条第3項の規定は、前項の場合に準用する。

(葛飾区都市復興基本計画の策定)

第11条 区長は、被災後速やかに、東京都都市復興基本計画との整合を図りつつ、葛飾区都市復興基本方針に基づき、土地利用の方針、都市施設の整備方針、被災市街地の整備方針その他の震災復興事業を推進するための計画(以下この章において「葛飾区都市復興基本計画」という。)を策定し、これを公表するものとする。

2 区長は、葛飾区都市復興基本計画の策定に当たっては、区民及び事業者の意見を聴くとともに、その意見が十分に反映されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(震災復興事業の推進)

第12条 区長は、重点復興地区及び復興促進地区において、葛飾区都市復興基本計画に基づき、土地区画整理事業(土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第2条第1項に規定する土地区画整理事業をいう。)、市街地再開発事業(都市再開発法(昭和44年法律第38号)第2条第1号に規定する市街地再開発事業をいう。)等の整備事業の施行、道路、公園等の公共の用に供する施設の整備、地区計画等の決定、建築物等の不燃化その他の必要な措置を講ずるものとする。

2 区長は、復興誘導地区において、葛飾区都市復興基本計画に基づき、地区計画等の決定、建築物等の不燃化その他の必要な措置を講ずるものとする。

3 区長は、震災復興事業の推進に当たっては、区民及び事業者の意見を聴くとともに、その意見が十分に反映されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(被災市街地復興推進地域の指定)

第13条 区は、重点復興地区及び復興促進地区内において、被災市街地復興特別措置法(平成7年法律第14号)第5条第1項の規定により、都市計画に被災市街地復興推進地域を定めることができる。ただし、被災市街地の復興のために必要と認められるときは、重点復興地区又は復興促進地区以外においても被災市街地復興推進地域を定めることができる。

(建築行為の届出)

第14条 復興対象地区(復興対象地区内に被災市街地復興推進地域を定めたときは、当該被災市街地復興推進地域を除く。)において、建築物等の建築をしようとする建築主は、規則で定めるところにより、当該建築物等の内容を区長に届け出るものとする。

(情報の提供)

第15条 区長は、前条の規定による届出があったときは、災害に強いまちづくりを促進するため、当該届出を行った建築主に対して建築物等の耐震性及び耐火性を高めるための情報の提供を行うものとする。

第4章 地域協働復興に関する活動の促進

第16条 区長は、地域協働復興(被災後において、区民が相互に協力し、事業者、ボランティア、関係する地方公共団体等との協働により、自主的に自らの生活の再建及び居住する地域の復興を進めることをいう。)に関する活動を促進するとともに、当該活動を行う団体を支援し、当該活動の充実を図るよう努めなければならない。

第5章 雑則

(委任)

第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

葛飾区被災市街地復興対策に関する条例

平成22年3月29日 条例第6号

(平成22年3月29日施行)