○葛飾区福祉サービス苦情調整委員条例
平成14年12月13日
条例第51号
(設置)
第1条 区民が利用する福祉サービス(以下「福祉サービス」という。)に関する苦情等を公正かつ中立な立場で迅速に処理することにより、区民の権利及び利益を擁護するとともに、福祉サービスに対する区民の信頼を高め、もって福祉サービスの一層の向上に資するため、葛飾区長(以下「区長」という。)の附属機関として葛飾区福祉サービス苦情調整委員(以下「委員」という。)を置く。
(平28条例25・一部改正)
(職務)
第2条 委員の職務は、次のとおりとする。
(1) 福祉サービスに関する苦情(以下「苦情」という。)の申立てを受け付け、調査し、調整その他の処理(以下「処理」という。)をすること。
(2) 自己の発意に基づき事案を取り上げ、調査し、処理すること。
(3) 申立てに係る苦情又は自己の発意に基づき取り上げた事案(以下「苦情等」という。)について、違法又は不当な行為があると認めるときは、是正又は改善の措置(以下「是正等の措置」という。)を講ずるように勧告し、必要があると認めるときは、その勧告内容等を公表すること。
(4) 苦情等の原因が福祉サービスの制度に起因し、それが著しく不合理であって改善する必要があると認めるときは、その旨の意見を表明し、公表すること。
(任命)
第3条 委員は、4人以内とし、人格が高潔で社会的信望が厚く、福祉、保健、法律等の分野において優れた識見を有する者のうちから、区長が任命する。
(任期)
第4条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、連続して2回を限度として、再任されることができる。
(解任)
第5条 区長は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認めるときは、その委員を解任することができる。
2 委員は、前項の規定による場合を除いては、その意に反して解任されることがない。
(服務)
第6条 委員は、区民の権利及び利益を擁護するため、公平かつ適切にその職務を執行しなければならない。
2 委員は、葛飾区(以下「区」という。)及び福祉サービスを行う事業者と相互に連携を図り、その職務の円滑な執行に努めなければならない。
3 委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
4 委員は、その地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。
(平28条例25・一部改正)
(兼職等の禁止)
第7条 委員は、次に掲げる職又は地位を兼ねることができない。
(1) 衆議院議員若しくは参議院議員、地方公共団体の議会の議員若しくは長又は政党その他の政治団体の役員
(2) 区に執行機関として置かれる委員会の委員又は委員
(3) 区と特別な利害関係のある会社その他の団体の役員
(4) 主として区民に対し福祉サービスを提供している事業者の役員
(5) 福祉サービスを提供している事業者で、区内に主たる事務所又は事業所を有するもの(前号に規定する事業者を除く。)の役員
(報酬等)
第8条 委員の報酬は、月額とし、その額は、葛飾区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年葛飾区条例第22号)第2条第2項に規定する月額の報酬の額を超えない範囲内において、葛飾区規則(以下「規則」という。)で定める。
2 前項の報酬の支給方法は、規則で定める。
3 委員が規則で定める出張をしたときは、その費用を弁償する。
(区の責務)
第9条 区は、委員の職務の執行について、その独立性を尊重し、及び積極的な協力を行わなければならない。
(事業者等の協力義務)
第10条 福祉サービスを行う事業者(以下「事業者」という。)並びに苦情の調査及び処理(以下「調査等」という。)の対象となる事案の関係者(以下「関係者」という。)は、委員の職務の執行に協力するよう努めなければならない。
(申立てをすることができる者)
第11条 委員に対し苦情の申立てをすることができる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。
(1) 区内に住所を有する者であって、福祉サービスの提供を受け、若しくは取り消され、又はその提供を拒まれたもの(以下「本人」という。)
(2) 本人の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)又は3親等内の親族
(3) 本人と同居している者
(4) 本人の住所地を担当する民生委員・児童委員
(5) 前各号に掲げる者のほか、区長が必要と認める者
(申立ての方法)
第12条 委員に対する苦情の申立ての方法は、規則で定める。
(申立てをすることができる期間)
第13条 苦情の原因となった事実のあった日から1年を経過しているときは、当該苦情の申立てをすることができない。ただし、委員が当該期間を経過したことについて正当な理由があると認めるときは、この限りでない。
(苦情の調査等をしない場合)
第14条 委員は、次の各号のいずれかに該当すると認める場合は、当該苦情の調査等をしない。
(1) 苦情の内容が次のいずれかに該当するとき。
ア 現に裁判所において係争中の事項又は既に裁判所において判決、和解等があった事項
イ 現に行政不服審査法(平成26年法律第68号)、介護保険法(平成9年法律第123号)その他の法令の規定により不服申立てを行っている事項又は既にこれらの規定により不服申立てに対する裁決又は決定があった事項
ウ 現にこの条例、社会福祉法(昭和26年法律第45号)その他の法令の規定により苦情の申立てを行っている事項又は既にこれらの規定により苦情の申立てに対する処理が終了している事項
(2) 本人が苦情の申立ての原因となった事実について利害関係を有しないとき。
(3) 委員が虚偽の申立て又は明らかに理由がない申立てであると認めるとき。
(4) 苦情の内容がこの条例の規定に基づき委員がした行為に関するものであるとき。
(5) 前各号に掲げるもののほか、委員が調査等をすることが相当でないと認めるとき。
(平28条例25・一部改正)
(調査等の中止)
第15条 委員は、調査等を継続することが困難となったとき又は調査等の必要がなくなったと認めるときは、当該調査等を中止することができる。
(事業者等に対する調査)
第16条 委員は、苦情等の調査等のため必要な限度において、事業者(区内に主たる事務所又は事業所を有するものに限る。第3項において同じ。)から報告を求め、又はその事務所若しくは事業所に立ち入り、施設、帳簿、書類その他の必要な物件を調査し、若しくは関係者に対し質問することができる。
2 前項に定めるもののほか、委員は、苦情等の調査等のため必要があると認めるときは、事業者又は関係者に必要な協力を求めることができる。
3 第1項の規定により委員が事業者の事務所又は事業所に立ち入るときは、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
4 第1項に規定する立入調査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(勧告)
第17条 委員は、苦情等の調査等をした場合において、必要があると認めるときは、事業者に対し是正等の措置を講ずるように勧告することができる。
2 前項の規定による勧告を受けた事業者は、当該勧告を尊重し、誠実かつ適切に対応しなければならない。
(勧告に対する報告)
第18条 委員は、前条第1項の規定による勧告をしたときは、事業者に対し、是正等の措置の状況について報告を求めるものとする。
(意見の表明等)
第19条 委員は、苦情等の調査等の結果、その原因が福祉サービスの制度に起因し、それが著しく不合理であって改善する必要があると認めるときは、その旨の意見を表明することができる。この場合においては、委員全員の意見が一致していなければならない。
2 前項の規定による意見の表明があったときは、区長は、当該意見を尊重し、誠実かつ適切に対応しなければならない。
3 委員は、第1項の規定による意見の表明を行ったときは、その内容を公表しなければならない。この場合においては、個人情報の保護に最大限の配慮をしなければならない。
2 委員は、前項の規定による公表をするに当たっては、個人情報の保護に最大限の配慮をしなければならない。
(施行の状況の公表)
第21条 委員は、この条例の施行の状況について、毎年度1回、区長に報告するとともに、これを公表しなければならない。
(委任)
第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
付則
(施行期日)
1 この条例は、平成15年4月1日から施行する。
付則(平成28年3月28日条例第25号)
この条例は、平成28年4月1日から施行する。