○葛飾区行政手続条例

平成7年3月10日

条例第1号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 申請に対する処分(第5条―第11条)

第3章 不利益処分

第1節 通則(第12条―第14条)

第2節 聴聞(第15条―第26条)

第3節 弁明の機会の付与(第27条―第29条)

第4章 行政指導(第30条―第36条の2)

第4章の2 処分等の求め(第36条の3)

第5章 届出(第37条・第38条)

第6章 雑則(第39条・第40条)

付則

第1章 総則

(目的等)

第1条 この条例は、行政手続法(平成5年法律第88号)第3条第3項に規定する処分、行政指導及び届出に関する手続に関し、共通する事項を定めることによって、区の行政運営における公正の確保と透明性(行政上の意思決定について、その内容及び過程が区民にとって明らかであることをいう。)の向上を図り、もって区民の権利利益の保護に資することを目的とする。

2 前項の処分、行政指導及び届出に関する手続に関しこの条例に規定する事項について、他の条例に特別の定めがある場合は、その定めるところによる。

(平27条例8・一部改正)

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 法令 行政手続法第2条第1号に規定する法令をいう。

(2) 法律等 法律、東京都条例又は葛飾区条例をいう。

(3) 条例等 葛飾区条例、葛飾区規則、葛飾区教育委員会規則、葛飾区条例の委任に基づく選挙管理委員会、監査委員若しくは農業委員会の定め又は地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の17の2第1項若しくは地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第55条第1項の規定に基づき東京都条例の定めるところにより東京都知事若しくは東京都教育委員会の権限に属する事務の一部を区が処理することとされた場合における当該事務の根拠となる東京都条例、東京都規則若しくは東京都教育委員会規則をいう。

(4) 執行機関 区長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員又は農業委員会をいう。

(5) 区の機関 執行機関、執行機関に置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法令により権限を行使することを認められたものをいう。

(6) 行政庁 処分権限を有する区の機関をいう。

(7) 処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。

(8) 申請 条例等に基づき、行政庁の許可、認可その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。

(9) 不利益処分 行政庁が、条例等に基づき、特定の者を名宛人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。

 事実上の行為

 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名宛人としてされる処分

 名宛人となるべき者の同意の下にすることとされている処分

 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの

(10) 行政指導 区の機関又は地方自治法第244条の2第3項の規定により指定管理者として指定を受け、公の施設の管理を行うものが、その任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。

(11) 届出 行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、条例等により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待する一定の法律効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)をいう。

(平12条例55・平15条例62・平27条例8・一部改正)

(適用除外)

第3条 次に掲げる処分(条例等に基づくものに限る。)及び行政指導については、次章から第4章の2までの規定は、適用しない。

(1) 議会の議決を経て、又は議会の同意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分

(2) 学校において、教育の目的を達成するために、生徒、児童若しくは幼児又はこれらの保護者に対してされる処分及び行政指導

(3) 保育所において、保育の目的を達成するために、入所者又はその保護者に対してされる行政指導

(4) 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員又は地方公務員であった者に対してその職務又は身分に関してされる処分及び行政指導

(5) 専ら人の技能に関する検定の結果についての処分

(6) 相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として法令に基づいてされる行政指導

(7) 公衆衛生、環境保全、防疫、保安その他の公益に関わる事象が発生し、又は発生する可能性のある現場において、これらの公益を確保するために行使すべき権限を法律等により直接に与えられた職員によってされる処分及び行政指導

(8) 報告又は物件の提出を命ずる処分その他区の機関の職務の遂行上必要な情報の収集を直接の目的としてされる処分及び行政指導

(9) 第3章に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続においてされる処分及び行政指導

(平12条例55・平27条例8・一部改正)

(個別の処分等に関する適用除外)

第4条 別表の左欄に掲げる処分及び行政指導については、同表の中欄に掲げるこの条例の規定は、適用しない。

2 葛飾区条例を除く条例等に基づく処分及び行政指導で、この条例の規定を適用しないものは、執行機関が定める。

第2章 申請に対する処分

(審査基準)

第5条 行政庁は、申請により求められた許認可等をするかどうかをその条例等の定めに従って判断するために必要とされる基準(以下「審査基準」という。)を定めるものとする。

2 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、当該許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

3 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、条例等により当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。

(標準処理期間)

第6条 行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(条例等により当該行政庁と異なる機関が当該申請の提出先とされている場合は、併せて、当該申請が当該提出先とされている機関の事務所に到達してから当該行政庁の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間)を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。

(申請に対する審査及び応答)

第7条 行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の条例等に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者(以下「申請者」という。)に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。

(拒否処分の理由の提示)

第8条 行政庁は、申請により求められた許認可等の全部又は一部を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、条例等に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。

2 前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。

(申請に関する情報提供)

第9条 行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。

2 行政庁は、申請をしようとする者又は申請者の求めに応じ、申請書の記載及び添付書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない。

(公聴会の開催等)

第10条 行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該条例等において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。

(複数の行政庁が関与する処分)

第11条 行政庁は、申請の処理をするに当たり、他の行政庁において同一の申請者からされた関連する申請が審査中であることをもって自らすべき許認可等をするかどうかについての審査又は判断を殊更に遅延させるようなことをしてはならない。

2 1の申請又は同一の申請者からされた相互に関連する複数の申請に対する処分について複数の行政庁が関与する場合においては、当該複数の行政庁は、必要に応じ、相互に連絡をとり、当該申請者からの説明の聴取を共同して行う等により審査の促進に努めるものとする。

第3章 不利益処分

第1節 通則

(処分基準)

第12条 行政庁は、不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその条例等の定めに従って判断するために必要とされる基準(次項において「処分基準」という。)を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。

2 行政庁は、処分基準を定めるに当たっては、当該不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

(不利益処分をしようとする場合の手続)

第13条 行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名宛人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。

(1) 次のいずれかに該当するとき 聴聞

 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。

 に掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認めるとき。

(2) 前号ア及びのいずれにも該当しないとき 弁明の機会の付与

2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の規定は、適用しない。

(1) 公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき。

(2) 条例等の規定上必要とされる資格がなかったこと又は失われるに至ったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資格の不存在又は喪失の事実が客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき。

(3) 施設若しくは設備の設置、維持若しくは管理又は物の製造、販売その他の取扱いについて遵守すべき事項が条例等において技術的な基準をもって明確にされている場合において、専ら当該基準が充足されていないことを理由として当該基準に従うべきことを命ずる不利益処分であってその不充足の事実が計測、実験その他客観的な認定方法によって確認されたものをしようとするとき。

(4) 納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、又は金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき。

(5) 不利益処分を求める申出に基づき当該申出をした者を名宛人としてされる不利益処分をしようとするとき。

(6) 当該不利益処分の性質上、それによって課される義務の内容が著しく軽微なものであるため名宛人となるべき者の意見をあらかじめ聴くことを要しないものとして執行機関が定める処分をしようとするとき。

(平27条例8・一部改正)

(不利益処分の理由の提示)

第14条 行政庁は、不利益処分をする場合には、その名宛人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。

2 行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名宛人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。

3 不利益処分を書面でするときは、前2項の理由は、書面により示さなければならない。

(平27条例8・一部改正)

第2節 聴聞

(聴聞の通知の方式)

第15条 行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名宛人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

(1) 予定される不利益処分の内容及び根拠となる条例等の条項

(2) 不利益処分の原因となる事実

(3) 聴聞の期日及び場所

(4) 聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地

2 前項の書面においては、次に掲げる事項を教示しなければならない。

(1) 聴聞の期日に出頭して意見を述べ、及び証拠書類又は証拠物(以下「証拠書類等」という。)を提出し、又は聴聞の期日への出頭に代えて陳述書及び証拠書類等を提出することができること。

(2) 聴聞が終結するまでの間、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができること。

3 行政庁は、不利益処分の名宛人となるべき者の所在が判明しない場合においては、第1項の規定による通知を、その者の氏名、同項第3号及び第4号に掲げる事項並びに当該行政庁が同項各号に掲げる事項を記載した書面をいつでもその者に交付する旨を区役所の門前掲示場に掲示することによって行うことができる。この場合においては、掲示を始めた日から2週間を経過したときに、当該通知がその者に到達したものとみなす。

(平27条例8・一部改正)

(代理人)

第16条 前条第1項の通知を受けた者(同条第3項後段の規定により当該通知が到達したものとみなされる者を含む。以下「当事者」という。)は、代理人を選任することができる。

2 代理人は、各自、当事者のために、聴聞に関する一切の行為をすることができる。

3 代理人の資格は、書面で証明しなければならない。

4 代理人がその資格を失ったときは、当該代理人を選任した当事者は、書面でその旨を行政庁に届け出なければならない。

(参加人)

第17条 第19条の規定により聴聞を主宰する者(以下「主宰者」という。)は、必要があると認めるときは、当事者以外の者であって当該不利益処分の根拠となる条例等に照らし当該不利益処分につき利害関係を有するものと認められる者(同条第2項第6号において「関係人」という。)に対し、当該聴聞に関する手続に参加することを求め、又は当該聴聞に関する手続に参加することを許可することができる。

2 前項の規定により当該聴聞に関する手続に参加する者(以下「参加人」という。)は、代理人を選任することができる。

3 前条第2項から第4項までの規定は,前項の代理人について準用する。この場合において、同条第2項及び第4項中「当事者」とあるのは、「参加人」と読み替えるものとする。

(文書等の閲覧及び写しの交付)

第18条 当事者及び当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人(以下この条及び第24条第3項において「当事者等」という。)は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料(以下この条において単に「資料」という。)の閲覧を求めることができる。この場合において、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。

2 前項の規定は、当事者等が聴聞の期日における審理の進行に応じて必要となった資料の閲覧を更に求めることを妨げない。

3 行政庁は、前2項の閲覧について日時及び場所を指定することができる。

4 当事者等は、聴聞が終結する時までは、行政庁に対し、第1項及び第2項の規定により閲覧した資料の全部又は一部について、その写しの交付を請求することができる。この場合において、写しの交付に要する費用は、当事者等の負担とする。

5 前項の費用の額は、葛飾区情報公開条例(平成4年葛飾区条例第30号)第11条第3項の規定により区長が定めた額とする。

(聴聞の主宰)

第19条 聴聞は、次の各号のいずれかに該当する者で行政庁が指名するものが主宰する。

(1) 行政庁の職員

(2) 条例等に基づき審議会その他の合議制の機関の答申を受けて行うこととされている処分に係る聴聞にあっては、当該合議制の機関の構成員

2 次の各号のいずれかに該当する者は、聴聞を主宰することができない。

(1) 当該聴聞の当事者又は参加人

(2) 前号に規定する者の配偶者、4親等内の親族又は同居の親族

(3) 第1号に規定する者の代理人又は次条第3項に規定する補佐人

(4) 前3号に規定する者であったことのある者

(5) 第1号に規定する者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人

(6) 参加人以外の関係人

(平12条例16・一部改正)

(聴聞の期日における審理の方式)

第20条 主宰者は、最初の聴聞の期日の冒頭において、行政庁の職員に、予定される不利益処分の内容及び根拠となる条例等の条項並びにその原因となる事実を聴聞の期日に出頭した者に対し説明させなければならない。

2 当事者又は参加人は、聴聞の期日に出頭して、意見を述べ、及び証拠書類等を提出し、並びに主宰者の許可を得て行政庁の職員に対し質問を発することができる。

3 前項の場合において、当事者又は参加人は、主宰者の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

4 主宰者は、聴聞の期日において必要があると認めるときは、当事者若しくは参加人に対し質問を発し、意見の陳述若しくは証拠書類等の提出を促し、又は行政庁の職員に対し説明を求めることができる。

5 主宰者は、必要があると認めるときは、参考人に対し、聴聞の期日に出頭を求め、意見を聴取することができる。

6 主宰者は、当事者又は参加人の一部が出頭しないときであっても、聴聞の期日における審理を行うことができる。

7 聴聞の期日における審理は、行政庁が公開することを相当と認めるときを除き、公開しない。

(陳述書等の提出)

第21条 当事者又は参加人は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書及び証拠書類等を提出することができる。

2 主宰者は、聴聞の期日に出頭した者に対し、その求めに応じて、前項の陳述書及び証拠書類等を示すことができる。

(続行期日の指定)

第22条 主宰者は、聴聞の期日における審理の結果、なお聴聞を続行する必要があると認めるときは、さらに新たな期日を定めることができる。

2 前項の場合においては、当事者及び参加人に対し、あらかじめ、次回の聴聞の期日及び場所を書面により通知しなければならない。ただし、聴聞の期日に出頭した当事者及び参加人に対しては、当該聴聞の期日においてこれを告知すれば足りる。

3 第15条第3項の規定は、前項本文の場合において、当事者又は参加人の所在が判明しないときにおける通知の方法について準用する。この場合において、同条第3項中「不利益処分の名宛人となるべき者」とあるのは「当事者又は参加人」と、「掲示を始めた日から2週間を経過したとき」とあるのは「掲示を始めた日から2週間を経過したとき(同一の当事者又は参加人に対する2回目以降の通知にあっては、掲示を始めた日の翌日)」と読み替えるものとする。

(平27条例8・一部改正)

(当事者の不出頭等の場合における聴聞の終結)

第23条 主宰者は、当事者の全部若しくは一部が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、かつ、第21条第1項に規定する陳述書若しくは証拠書類等を提出しない場合、又は参加人の全部若しくは一部が聴聞の期日に出頭しない場合には、これらの者に対し改めて意見を述べ、及び証拠書類等を提出する機会を与えることなく、聴聞を終結することができる。

2 主宰者は、前項に規定する場合のほか、当事者の全部又は一部が聴聞の期日に出頭せず、かつ、第21条第1項に規定する陳述書又は証拠書類等を提出しない場合において、これらの者の聴聞の期日への出頭が相当期間引き続き見込めないときは、これらの者に対し、期限を定めて陳述書及び証拠書類等の提出を求め、当該期限が到来したときに聴聞を終結することとすることができる。

(聴聞調書及び報告書)

第24条 主宰者は、聴聞の審理の経過を記載した調書(以下「聴聞調書」という。)を作成し、聴聞調書において、不利益処分の原因となる事実に対する当事者及び参加人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。

2 聴聞調書は、聴聞の期日における審理が行われた場合には各期日ごとに、当該審理が行われなかった場合には聴聞の終結後速やかに作成しなければならない。

3 主宰者は、聴聞の終結後速やかに、不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書(以下単に「報告書」という。)を作成し、聴聞調書とともに行政庁に提出しなければならない。

4 当事者又は参加人は、聴聞調書及び報告書の閲覧を求めることができる。

5 第18条第4項及び第5項の規定は、聴聞調書及び報告書の写しの交付について準用する。この場合において、同条第4項中「当事者等は、聴聞が終結する時までは」とあるのは「当事者又は参加人は」と、「第1項及び第2項の規定により閲覧した資料」とあるのは「聴聞調書及び報告書」と、「当事者等の」とあるのは「当事者又は参加人の」と読み替えるものとする。

(聴聞の再開)

第25条 行政庁は、聴聞の終結後に生じた事情に鑑み必要があると認めるときは、主宰者に対し、前条第3項の規定により提出された報告書を返戻して聴聞の再開を命ずることができる。第22条第2項本文及び第3項の規定は、この場合について準用する。

(平27条例8・一部改正)

(聴聞を経てされる不利益処分の決定)

第26条 行政庁は、不利益処分の決定をするときは、聴聞調書の内容及び報告書に記載された主宰者の意見を十分に参酌してこれをしなければならない。

第3節 弁明の機会の付与

(弁明の機会の付与の方式)

第27条 弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。

2 弁明をするときは、証拠書類等を提出することができる。

(弁明の機会の付与の通知の方式)

第28条 行政庁は、弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)までに相当な期間をおいて、不利益処分の名宛人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

(1) 予定される不利益処分の内容及び根拠となる条例等の条項

(2) 不利益処分の原因となる事実

(3) 弁明書の提出先及び提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その旨並びに出頭すべき日時及び場所)

(平27条例8・一部改正)

(聴聞に関する手続の準用)

第29条 第15条第3項及び第16条の規定は、弁明の機会の付与について準用する。この場合において、第15条第3項中「第1項」とあるのは「第28条」と、「同項第3号及び第4号」とあるのは「同条第3号」と、第16条第1項中「前条第1項」とあるのは「第28条」と、「同条第3項後段」とあるのは「第29条において準用する第15条第3項後段」と読み替えるものとする。

第4章 行政指導

(行政指導の一般原則)

第30条 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該区の機関(第2条第10号に規定する委託を受けたものを含む。)の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。

(平27条例8・一部改正)

(事業者等の責務)

第31条 事業者その他の行政指導の相手方は、地方公共の秩序の維持又は環境の整備保全に支障が生じるおそれがある場合その他区民の権利利益が害されるおそれがある場合に行政指導が行われるときは、これに協力するよう努めなければならない。

(不利益取扱いの禁止)

第32条 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。

2 前項の規定にかかわらず、区の機関は、前条に規定する行政指導の相手方が正当な理由なくこれに協力しない場合は、その旨を公表することができる。この場合において、区の機関は、あらかじめ相手方の意見を聴取しなければならない。

(申請に関連する行政指導)

第33条 申請(法律又は法律に基づく命令(告示を含む。以下同じ。)に基づき許認可等を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものを含む。)の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を真かつ明確に表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。

(平12条例55・平27条例8・一部改正)

(許認可等の権限に関連する行政指導)

第34条 許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有する区の機関が、当該権限を行使することができない場合又は行使する意思がない場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該権限を行使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。

(行政指導の方式)

第35条 行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。

2 行政指導に携わる者は、当該行政指導をする際に、区の機関が許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を行使し得る旨を示すときは、その相手方に対して、次に掲げる事項を示さなければならない。

(1) 当該権限を行使し得る根拠となる法令の条項

(2) 前号の条項に規定する要件

(3) 当該権限の行使が前号の要件に適合する理由

3 行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から前2項に規定する事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。

4 前項の規定は、次に掲げる行政指導については、適用しない。

(1) 相手方に対しその場において完了する行為を求めるもの

(2) 既に文書(前項の書面を含む。)又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によりその相手方に通知されている事項と同一の内容を求めるもの

(平27条例8・一部改正)

(複数の者を対象とする行政指導)

第36条 同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときは、区の機関は、あらかじめ、事案に応じ、これらの行政指導に共通してその内容となるべき事項を定め、かつ、行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない。

(行政指導の中止等の求め)

第36条の2 法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律等に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が法律等に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした区の機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる。ただし、当該行政指導がその相手方について弁明その他意見陳述のための手続を経てされたものであるときは、この限りでない。

2 前項の規定による申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。

(1) 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所

(2) 当該行政指導の内容

(3) 当該行政指導がその根拠とする法律等の条項

(4) 前号の条項に規定する要件

(5) 当該行政指導が前号の要件に適合しないと思料する理由

(6) その他参考となる事項

3 当該区の機関は、第1項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、当該行政指導が当該法律等に規定する要件に適合しないと認めるときは、当該行政指導の中止その他必要な措置をとらなければならない。

(平27条例8・追加)

第4章の2 処分等の求め

(平27条例8・追加)

第36条の3 何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律等に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する区の機関又は当該行政指導をする権限を有する区の機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。

2 前項の規定による申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。

(1) 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所

(2) 法令に違反する事実の内容

(3) 当該処分又は行政指導の内容

(4) 当該処分の根拠となる法令又は当該行政指導の根拠となる法律等の条項

(5) 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由

(6) その他参考となる事項

3 当該区の機関は、第1項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。

(平27条例8・追加)

第5章 届出

(適式な届出の効果)

第37条 届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の条例等に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が条例等により当該届出の提出先とされている区の機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。

(不適式な届出に対する措置)

第38条 前条に規定する区の機関は、その事務所に到達した届出が条例等に定められた形式上の要件に適合していない場合は、速やかに当該届出をした者に対し補正を求めるものとする。

第6章 雑則

(苦情処理)

第39条 執行機関は、この条例の規定に違反する行為があった旨の苦情の申出があった場合は、速やかにその内容を審査し、理由があると認めたときは当該申出に係る適当な処分その他の措置を、理由がないと認めたときは当該申出をした者に対しその旨の通知をしなければならない。

(区長の責務)

第40条 区長は、この条例に関する必要な情報を区民に対し積極的に提供するよう努めなければならない。

2 区長は、この条例の趣旨に関する理解を深め、かつ、適正な運用についての必要な知識を付与するため、区の職員に対し研修を実施するものとする。

(施行期日)

1 この条例は、平成7年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行前にされた第15条第1項又は第28条の規定による通知に相当する行為は、これらの規定によりされた通知とみなす。

(東京都葛飾区情報公開条例の一部改正)

3 東京都葛飾区情報公開条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(中間省略)

(平成12年3月30日条例第16号)

この条例は、平成12年4月1日から施行する。

(平成12年7月5日条例第55号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成14年3月29日条例第8号)

この条例は、平成14年4月1日から施行する。

(平成14年3月29日条例第33号)

(施行期日)

1 この条例は、平成14年4月1日から施行する。

(平成15年12月12日条例第51号)

(施行期日)

1 この条例は、平成16年4月1日から施行する。

(平成15年12月12日条例第62号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(葛飾区行政手続条例の一部改正に関する経過措置)

4 地方自治法の一部を改正する法律(平成15年法律第81号)附則第2条の規定によりなお従前の例によることとされる同法による改正前の地方自治法第244条の2第3項の規定により公の施設の管理の委託を受けたものが行う指導、勧告、助言その他の行為については、前項の規定による改正前の葛飾区行政手続条例第2条第8号の規定は、この条例の施行後も、なお効力を有する。この場合においては、同号中「地方自治法(昭和22年法律第67号)」とあるのは、「地方自治法の一部を改正する法律(平成15年法律第81号)附則第2条の規定によりなお従前の例によることとされる同法による改正前の地方自治法」とする。

(平成16年3月29日条例第13号)

(施行期日)

1 この条例は、平成16年4月1日から施行する。

(平成16年12月16日条例第38号)

(施行期日)

1 この条例は、平成17年4月1日から施行する。

(平成17年3月29日条例第6号)

(施行期日)

1 この条例は、平成17年4月1日から施行する。

(平成27年3月27日条例第8号)

この条例は、平成27年4月1日から施行する。

別表(第4条関係)

(平7条例48・平9条例38・平11条例9・平12条例16・平14条例8・平14条例33・平15条例51・平16条例13・平16条例38・平17条例6・平27条例8・一部改正)

処分及び行政指導の区分

適用しないこの条例の規定

備考

1

葛飾区特別区税条例(昭和39年葛飾区条例第49号)の規定による処分

第2章及び第3章

 

地方税法(昭和25年法律第226号)その他の法律、法律に基づく命令及び葛飾区特別区税条例の規定による区の徴収金を納付し、又は納入する義務の適正な実現を図るために行われる行政指導

第35条第3項及び第36条

 

特別区税の犯則事件に関して徴税吏員が行う行政指導

第4章

 

2

葛飾区使用料その他収入金の督促及び滞納処分に関する条例(昭和28年葛飾区条例第31号)の規定による処分

第3章

 

3

葛飾区勤労福祉会館条例(昭和54年葛飾区条例第27号)第5条の規定による卓球室の使用の承認(個人の使用に係るものに限る。)

第2章

 

4

葛飾区障害者福祉センター条例(平成16年葛飾区条例第38号)第11条第3項又は第4項の規定による処分

第3章。ただし、第12条及び第14条の規定は、適用する。

行政庁は、この項に掲げる処分をしようとする場合は、あらかじめ、処分の相手方となるべき者に対し、当該処分の理由について説明するとともに、その意見を聴かなければならない。ただし、当該処分を求める申出があったときは、この限りでない。

葛飾区学童保育クラブ条例(昭和52年葛飾区条例第16号)第9条の規定による処分

葛飾区保育所の設置等に関する条例(昭和36年葛飾区条例第6号)第5条第2項の規定による処分

5

葛飾区ミニSL条例(昭和59年葛飾区条例第13号)の規定による処分(団体の使用に係るものを除く。)

第2章

 

6

葛飾区自転車駐車場及び自転車置場条例(昭和57年葛飾区条例第14号)の規定による処分

第2章及び第3章。ただし、第5条第8条第9条第12条及び第14条の規定は、適用する。

 

7

葛飾区体育施設条例(昭和59年葛飾区条例第5号)第6条の規定による処分(個人の使用に係るものに限る。)

第2章

 

8

葛飾区議会議員又は葛飾区長の選挙における選挙公報の発行に関する条例(平成6年葛飾区条例第29号)の規定による処分

第3章

 

葛飾区議会議員又は葛飾区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例(平成6年葛飾区条例第30号)の規定による処分

第2章

 

葛飾区行政手続条例

平成7年3月10日 条例第1号

(平成27年4月1日施行)

体系情報
第3編 行政一般/第3章 行政手続
沿革情報
平成7年 条例第48号
平成7年3月10日 条例第1号
平成9年 条例第38号
平成11年 条例第9号
平成12年3月30日 条例第16号
平成12年7月5日 条例第55号
平成14年3月29日 条例第8号
平成14年3月29日 条例第33号
平成15年12月12日 条例第51号
平成15年12月12日 条例第62号
平成16年3月29日 条例第13号
平成16年12月16日 条例第38号
平成17年3月29日 条例第6号
平成27年3月27日 条例第8号