葛飾区史

第4章 現代へのあゆみ(戦後~平成)


第2節 現在の葛飾

■葛飾の産業と観光 :多様な機能を持つ農業の取り組み

 葛飾区は、都市農業が行われている数少ない区の一つである。しかし、宅地化の進展や従事者の高齢化などから農地が減少し続けている。
 一方、都市農業は、地元産の新鮮で安全な農作物を供給するのみならず、防災、良好な景観の形成、環境保全、学習や交流の場の提供など、多様な機能を果たしている。この機能が十分に発揮されるように、葛飾区は、農家や農業団体と協働して様々な取り組みを行ってきた。
 昭和50(1975)年に開始した、区民が自分自身で栽培し収穫する「区民農園」に加え、平成元(1989)年には、農家が栽培した野菜の収穫体験ができる「ふれあいレクリエーション農園」を開始し、地域住民に区内農業への理解を深めてもらう取り組みを行っている。
 葛飾区内産野菜のブランド化を推進するため、平成9(1997)年からは「とれたてイキイキ葛飾元気野菜」のキャッチフレーズとロゴにより、「生産者の顔が見える野菜」をPRしている。平成11(1999)年には葛飾農業協同組合(現東京スマイル農業協同組合)による「葛飾元気野菜直売所」が柴又にオープンし、直売マップの作成やイベントで野菜を販売するなどして、葛飾農業を支援している。
 また、地元野菜の地産地消や学校における食育を推進するため、平成21(2009)年から東京スマイル農業協同組合の協力により葛飾区立全小中学校における小松菜一斉給食を開始した。
 防災空間として農地を活用する取り組みとして、平成12(2000)年に葛飾農業協同組合と葛飾区との間で、被災時における避難場所として農地を活用するための災害協定を結び、避難訓練が行われている。
 さらに、農家と葛飾区民が交流を図りながら、区内農業を推進していく取り組みとして、平成25(2013)年には、区民に農業の知識や技術を習得してもらう「農業応援サポーター養成講座」を開設し、講座修了者は区内農家の農作業を手伝い、担い手が不足している農家を支援している。また、同年には、農家の指導により利用者が野菜の栽培を体験する「農業体験農園」を開園した。

葛飾区の耕地面積、農家数、農業人口(昭和50〔1975〕〜平成22〔2010〕年)
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ふれあいレクリエーション農園(平成28〔2016〕年)
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元気野菜ロゴマーク
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元気くん

葛飾元気野菜PRキャラクター
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葛飾元気野菜直売所(平成23〔2011〕年11月)
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