葛飾区史

第2章 葛飾の成り立ち(古代~近世)


第1節 古代の葛飾

■東京低地の陸地化と集落の形成 :出土した土器と水上交通

 御殿山遺跡では、甕・壺・高坏といった土師器が出土している。中には他の地域でつくられたり、その影響を受けてつくられた土器も見つかっている。特徴的なものとしては、土器の縁(口縁部)がSの形に似たS字甕と呼ばれる甕である。S字甕は東海地方西部でつくられ始めた土器である。この他、奈良盆地周辺、北陸地方の土器も出土しており、東京低地は河川を使った水上交通などを通じて複数の地域と交流があったと想定される。

御殿山遺跡出土の土師器の甕
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御殿山遺跡出土のS字甕の口縁部
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