葛飾区史

第2章 葛飾の成り立ち(古代~近世)


第1節 古代の葛飾

■東京低地の陸地化と集落の形成 :御殿山遺跡で行われた生業

 葛飾区内でこれまでに確認されている古墳時代前期の遺跡は、青戸にある御殿山遺跡である。この遺跡は、中川右岸の自然堤防上にあり、これまでの発掘調査で竪穴住居・土坑・溝などの遺構が見つかっている。
 御殿山遺跡からは、円筒形状の環状土錘が出土している。これは漁網の底に取り付けるオモリとして使われたものであり、中川で漁業が盛んに行われていたことがわかる。微高地上では畠の畝の痕跡が見つかっており、畠作が行われていたことが明らかとなっている。水稲耕作の跡は確認されていないが、遺跡西側の低地に水田がつくられていた可能性がある。御殿山遺跡は農耕と漁労を生業とする集落であったことがわかる。

御殿山遺跡で見つかった畝跡
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御殿山遺跡出土の環状土錘
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環状土錘の使用法(イメージ)
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