第3章 地域の歴史
第4節 新宿
■ :新宿
新宿日枝神社と水神社の祭り(新宿2丁目)
新宿日枝神社では、9月に祭りが行われています。宵祭りと翌日の例大祭があり、神社を出発した神輿が朝から夕方まで新宿をねり歩きます。明治時代につくられた現在の大神輿は、50人ほどでかつぐとても大きなもので祭りの日に出されることもあります。
昭和のはじめごろまでは、祭りの日に草相撲が行われていました。草相撲といっても力士にはしこ名があり、呼び出しや行司などもいる本格的なもので、5人抜きなどの勝ち抜き相撲や相撲の禁じ手(反則)を面白く紹介する初っ切りなどを行いました。
また、新宿日枝神社の境内には水神をまつる水神社があります。水神を信仰するのは、田畑の肥料である下肥(人のうんちやおしっこ)や土砂などを船で運ぶ人びとでした。この集団を水神講とよび、新宿日枝神社には、1928(昭和3)年に水神講が納めた絵馬が残されています。かつて行われていた水神社の祭りは夏に行われ、船を中川に出し、おはやしをあげてにぎやかに宴会を開いていました。