第3章 地域の歴史
第14節 新小岩(新小岩・東新小岩・西新小岩)
■ :新小岩(新小岩・東新小岩・西新小岩)
江戸小紋と小宮家(西新小岩3丁目)(国指定重要無形文化財)
小紋とは、とても細かい着物の模様のことです。江戸時代に大名などが着ていた豪華な着物の模様を幕府がぜいたく品として規制したため、遠くから見て模様が見えないくらいの細かい模様が流行しました。その結果、細かい着物模様をつくるための技術が発達しました。
西新小岩に住んでいた小宮康助さんは、この小紋をつくる名人で、1955(昭和30)年には、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。江戸小紋という名前は、このとき、康助さんのつくった小紋染めとほかの小紋染めを区別するためにつけられました。
江戸小紋は、模様の型紙をつくる職人や、布の上に型紙を置いて染める職人、さらにはいろいろな道具をつくる職人など、多くの職人の技術によってつくられています。康助さんは、染める職人でした。その技術は、康助さんの息子で同じく人間国宝の康孝さんと、その息子の康正さんが技術を受けつぎ、西新小岩3丁目にある小宮染色工場で江戸小紋をつくり続けています。