子ども葛飾区史

第3章 地域の歴史


第13節 奥戸

■ :奥戸

奥戸天祖神社の大しめ縄神事(奥戸2丁目)(葛飾区登録無形民俗文化財)  
 毎年10月の半ばごろに行われている奥戸天祖神社の祭りでは、稲わらで5メートル以上の大きなしめ縄をつくり、地域内をかついでまわる行事が行われています。この行事には、病気にかかったり悪いことが起きたりしないようにとの願いがこめられています。少なくとも今から約170年前、江戸時代の終わりごろから続いています。江戸時代には2月に行われていて、その年の豊作を願うものでした。  
 昭和20年代までは大しめ縄を2本つくり、1本が地域をめぐった後、ふたつを合わせて神社の敷地にある木にかけていました。時代とともに大しめ縄は1本となって神社の鳥居にかけられるようになり、1997(平成9)年には石の柱にかけられるようになりました。大しめ縄の材料はそれぞれの家で新たに収穫した稲のわらを使っていましたが、今は葛飾区内で米づくりがほとんど行われなくなったため、葛飾区外から手に入れたわらを使っています。

大しめ縄をかつぐ人たち
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神社の鳥居にかけられていたころの大しめ縄(1993〔平成5〕年)
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石の柱にかけられた大しめ縄
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