子ども葛飾区史

第3章 地域の歴史


第11節 立石(立石・東立石)

■ :立石(立石・東立石)

東京友禅  
 立石の染色業は、昭和30 年代が一番さかんな時期でした。東京の友禅染は、京都の京友禅に対して東京友禅とよばれています。立石でつくられた東京友禅は、手がきで色を染める京友禅とはちがい、型紙を使って色を染めていく方法でつくられていました。  
 染め方は、伊勢型紙とよばれる型紙などを使い、染料と防染のり(色をつけたくない部分にぬるのり)を生地につけていき乾かします。1時間ほど生地を蒸して色が定着したら、水で洗ってのりなどを落とします。昔は中川に直接生地を入れて洗っていました。このとき、川に落ちたのりを食べに魚が集まってきたそうです。洗った生地を干して乾かした後、生地に蒸気をあてる「湯のし」という方法でしわをのばし、生地の幅や長さを一定にそろえる作業をします。最後に仕上げをして完成です。  
 当時を知る人の話では、1964(昭和39)年の東京オリンピックのころは、国旗や万国旗の注文が多く、とても忙しかったそうです。

友禅染(葛飾区郷土と天文の博物館所蔵)
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中川での洗い流し(1959〔昭和34〕年ごろ)
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