第2章 葛飾の歴史
第2節 古墳時代
■葛飾にあった古墳 :
葛飾につくられた古墳
古墳時代前期(3世紀後半〜4世紀)になると葛飾に人が住みはじめ、やがて、青戸や柴又・奥戸・東新小岩などに集落ができてきました。その中には有力者が現れ、古墳がつくられた場所もありました。
柴又には柴又八幡神社古墳(柴又3丁目)がつくられました。つくられたのは、6世紀後半ごろで、直径20~30メートルと推定される古墳です。古墳の周りには墓の範囲を示したり、古墳に葬られている人を守るために埴輪がめぐらされていました。また、刀や馬に乗るための道具、遺体を置く石室もありました。石室の石には千葉県南部の鋸山周辺の石が使われていて、この時代から葛飾との交流があったことがわかります。
立石にも古墳がありました。南蔵院裏古墳と熊野神社古墳(いずれも立石8丁目)です。南蔵院裏古墳は、6世紀後半ごろにつくられ、明治時代に埴輪が発見されましたが、住宅街になったため、くわしい形などはわかっていません。熊野神社古墳は、7世紀後半ごろにつくられた直径12メートルほどの古墳です。
柴又八幡神社古墳から出土したもの
石室(柴又八幡神社所蔵)
埴輪(柴又八幡神社、葛飾区郷土と天文の博物館所蔵)